2000年5月2000. 5. 1 クロサンショウウオの繁殖について2000. 5. 4 クロサンショウウオの病気 2000. 5. 6 餌コオロギ 2000. 5. 1 クロサンショウウオの繁殖についてクロサンショウウオは、春先、白濁したアケビ状の卵を池や沼地などの止水に生みます。たくさんのクロサンショウウオがひとつの水場に集まって産卵するのですが、その時の様子は、非常に興味深いものがあります。 私は、臼田さんのクロサンショウウオの繁殖行動に関する論文(1993,1995,1997)の概略紹介を両生類誌第1号で読みました。私には専門的な知識が無いため、内容は難しいものでしたが、以下のようなことを知りました。
この珍しい生態を水槽内で見てみたいこと、また、産卵から孵化、幼生の飼育、上陸時の様子などを、あらためて観察したいこと、そして、我が家のかわいいクロサンショウウオ達に「子孫を残す」という、生物としての使命を全うさせてあげたい。さらには、かわいい子供達の顔が見たい・・・。こういった欲望から、私のクロサンショウウオ繁殖への挑戦が始まりました。 1度目の繁殖チャレンジ結論:繁殖しませんでした〜。 今回、産卵を促すために行なった工夫は、いたって幼稚。お腹の大きな個体がいたので、卵を産むかな?と思い、
これだけです。お腹が大きい個体がいたので、卵を持っているような気がしたのです。気がしただけ(願望含む)。卵を持っている雌はお腹から卵が透けて見えるそうですが、お腹を見ても、私にはどれが卵でどれが内臓なのか、さっぱりわかりませんでした(何やら数個の粒のような影が見えましたが、卵の粒にしては大きいような感じでした。何!?)。
そして、2晩たっても産卵の兆しすら見えなかったので、水を抜いて、元に戻したというわけです。もっと何か工夫の余地があったと思うのですが、初めてのチャレンジは、この程度のものでした。 マリンピア日本海では・・・そんなある日、新潟県の水族館マリンピア日本海の入場券が手に入ったので、遊びに行ってきました。マリンピア日本海は、世界で初めてトウホクサンショウウオの水槽内繁殖に成功した水族館です。ここではクロサンショウウオも飼育されているので、いつも楽しみに見学しており、今回もお目当ては新潟県の両生類コーナーでした。 そこで私が目にしたのは、産卵に成功したクロサンショウウオ水槽だったのです。 水槽左端にみえる白い物体、これがクロサンショウウオの卵のう。
「やられた・・・」素人の私が、プロである水族館に対して感じるにはまったく不相応な気持ちですが、まず、「やられた」と思いました。我が家ではうまくいかなかったのに、水族館ではちゃんと水槽内での産卵に成功している。いや〜、悔しい。と同時に、何かすごくワクワクして、興奮しました。水槽内繁殖は夢じゃないんだ。来年こそは・・・! しかし、それには今のままの飼育スタイルではいけません。水族館と我が家との飼育環境の違いは、すぐに思い付くだけでもこれだけあります。
当然、性成熟の度合いなど、産卵には複雑な要素が絡み合うと思うが、少なくとも今後は、以上のことも考えて、生育環境を改善する必要があります。 生まれ故郷の池では・・・
我が家のクロサンショウウオの兄弟達は、新しい世代へと連綿と命をつなげていてくれました。本当にうれしいことです。 1度目の繁殖チャレンジ【終了】 2000. 5. 4 クロサンショウウオの病気水槽内繁殖の失敗が、さらなる悪い事態を招いてしまいました。 下あごに炎症 産卵を促すために水深を深くしたため、サンショウウオ達は慌てて陸地をもとめて泳ぎまわりました。そのとき、枝や、バックスクリーンに設けてあったわずかな陸地に到達した者や水中で落ち着いた者は良かったのですが、なかなか到達できなかった中には、ひたすらガラス面に向かって泳ぎ続ける子がいました。 怪我を発見してから1ヶ月。心配でしたが食欲もあり、ちょっとした外傷だと思って自己治癒にまかせていたのですが、なかなか良くならない。軽く化膿してきているようにも見えます。さすがにもう放ってはおけません。 治療
今日から1日1回、様子を見ながら、薬を使っていこうと思っています。何かアドバイスがあったら、どうかお願いします。 2000. 5. 6 餌コオロギ クロサンショウウオの下あごの炎症は、小康状態を保っています。なんとなく良くなってきた気もしますが、まあ気のせい程度。家にある本を見て両生類の病気について調べていると、爬虫類両生類800種図鑑という本に、私が使ったのとまったく同じ薬が載っていました!そして、「薬局で買える薬の中では、かなり利用価値の高いもので・・・」と書いてありました。偶然でしたが、私の選択は間違っていなかった(^^)。効いてくれればよいけれど。 餌を改善さて、この度、クロサンショウウオの餌としてコオロギを用意してみました。クロサンショウウオがより健康に育つように、また、来年の繁殖チャレンジに向けて、まずは餌を改善することにしたのです。新潟市に引っ越したことで、コオロギを売っているショップが近くなり、メインの餌として使えるようになったことは利点でした。 これまではミールワームと冷凍赤虫がメインの餌でした。ミールワームは餌としては与えやすく便利ですが、栄養面での評判は悪く、いろいろな飼育書に「長期使用してはいけない」「単食はいけない」ということが書かれています。これは、リンとカルシウムのバランスの問題で、ミールワームはカルシウムが極端に少ないのだそうです。しかし、それ以外に何の問題があるのかというと外皮の消化が悪いくらいで、他に目に付く記載はありませんでした。 そこで、ミールワームを与えるときはリンを含んでいないカルシウム剤を振りかけてから与えていたのですが、それでも不安が消えません。ミールワームの悪名の高さの理由が前述の栄養バランスの問題だけであれば、私のようにカルシウムをまぶすだけで問題が解決するはずです。ところが、ミールワーム・バッシングはそれでは治まりません。何か他にも餌としての問題があるように思えるのですが、私が調べた中ではわかりませんでした。いったい!? さて、ミールワームに対するそんな不信感もあり、また、コオロギの評判が良いことは重々承知ですから、今回Sサイズのコオロギを購入してきました。1匹15円で100匹を入手。さらに衣装ケースを買ってきて、コオロギ用の飼育ケースにしました。ワラワラとうごめく大量のコオロギを見ていると、ちょっぴり不快。小さなゴキブリの大群に見える・・・。 気を取り直し、クロサンショウウオに与えてみました。ミールワームと違って動きが速いのでピンセットでつまむのも大変でしたが、おいしそうに食べてくれました(^^)。ピンセットで与えずに水槽内に何匹か放しておけばよいのだろうか?でも、それではどの個体が食べたのかチェックできない。つまむのではなくて、何かにとまらせて口元に持っていくのも手ですが、そう、うまくいきそうもありません。
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