植物
水辺の植物
植物には、水質を浄化する能力があります。
これについては、様々な実験が行われており、条件が良い場合には90%以上の有機物の浄化が行われることが分かっています。窒素、リンについては、バラツキがありますが、20〜80%程度の浄化率が期待できるとされています。
さらに、水辺の植物には、
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日陰を作り、水温上昇を緩和する働き
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水流を弱める働き
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風を妨げて、底泥の巻上げを抑える働き
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枯葉を落としたり枯死して、水中に有機物を供給する働き(水中生物の餌になる)
など、様々な働きがあり、増殖池の造成に当たっては、水の流れとワンセットで整備すべき要素のひとつと思われます。
これには、近隣の水辺の表土─内部に植物の種や土壌生物が含まれている─を持ってきて施工地に撒く「撒き出し」という技術が有効です。
この増殖池の場合、元々の沢地を利用して造成されているので、工事で削った土をそのまま埋め戻しに使うことで、造成環境に見合った植生の回復が早期に図られたことと思います。

浅瀬の群落

ミゾソバの可憐な花
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浅瀬の一面を覆っていたのは、写真の植物です。いったい、何という種類でしょうか。その特徴的な葉の形を参考に図鑑で調べたところ、2種類が候補に挙がりました。
ミゾソバとママコノシリヌグイです。
・・・シリヌグイって、おい。
図鑑によると、水辺の環境に多く生えるのはミゾソバのほうだそうで、(なんとなく)ほっ(^^;。
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後になって、増殖池の施工時にハナショウブが意図的に植栽されたことを報告書で知りました。そういう目で観察してこなかったので、ちゃんと定着していたかどうかには気がつかず。
水草

ナントカ藻(種類不明)
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水中には、あちこちに水草が繁茂していました。
こういった水草の表面には、微小な水棲生物の生活環境が形成されます(ペリフィトンという)。幼生の餌になるヨコエビなどの生息場所としても重要な存在。
また、光合成により水中に豊富な酸素を供給しています。
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