餌を食べさせるテクニック クロサンショウウオは、たまに拒食を起こします。そんな場合の対処方法について紹介します。 拒食の原因なぜ拒食するのか、はじめにその原因を考えて対処することが大切です。 変態直後変態して上陸後しばらくは餌を食べなくなりますが、これは普通なので心配はいりません。変態後は、餌を食べるよりも早く安全な場所に移動する必要があるため、食欲がないのだそうです。無理に食べさせようとしないでください。 飼育環境の不備複数飼育している場合、その日に限って1匹だけが餌を食べてくれない、ということがあります。この場合は、その日の調子もあるのだろうと考えあまり心配しません。下で紹介している餌を食べさせるテクニックを参考に給餌してみてください。 問題は、ほとんどの個体が同時期に食欲をなくしたとき。 環境の変化 飼いはじめて日が浅いうちは個体も新しい環境に馴れておらず、餌を食べないことがあります。飼育環境に不備がないか再点検したうえで、あまりあせらずに食べてくれるのを待ちましょう。 餌を食べさせるテクニック餌を食べないときの対処方法について、以下に思いつくままに列記します。拒食とまではいかずとも、ちょっとすねて餌を食べないときにも効果的です。 餌の種類を変えてみる サンショウウオには、幼いころの食餌経験がその後の餌の好みを方向付ける傾向があるといわれています。たとえば、初めに細長い餌(ミミズやミールワームなど)を与えられた場合は、その後も細長い餌に餌付きやすくなります。 やわらかいものやジューシーなものがより食べさせやすいので、そういった餌に変えてみるのも手です。 なるべく小さい餌を使う大きい餌を使うと、その迫力に怖気づいて食欲をなくすことがあります。例えば冷凍アカムシなどを使う際は、ほんの数匹だけ摘んで与えるようにしてみます。 眼前の底床を突付く サンショウウオの眼前2cm程度離れた底床を、ピンセットなどでちょいちょい突付くと、食欲が増加します(底床が動くと、そこに獲物がいると錯覚するみたい)。 内臓の匂いで食欲を誘う 残酷な方法ですが、活餌をピンセットの先やハサミなどで傷つけて、内臓を少しはみ出させ、それをサンショウウオの口元に押し付けてあげます。どうもサンショウウオは皮膚でも味を感じているふしがあり、これは非常に効果的です。また、自然下では、サンショウウオは獲物を視覚と匂いで判別しているそうです。 角度に気をつける
ピンセットを変えてみる使用しているピンセットに嫌悪感、恐怖感を覚えているのかもしれません。給餌道具を替えてみることも試してみてください。例えば、細い針金の先に餌を刺して与えてみたりします。 くわえた餌をひっぱるせっかく餌に食いついてもすぐに吐き出してしまう、という場合、餌を無理に押し込もうとしてもダメ。押してダメなら引いてみろといいますが、食いついた餌をピンセットで軽く引っ張ってあげると、「逃すものか!」とばかりに積極的に飲み込んでいきます。 頭のぶれを止めてあげる
シェルターをどかさないで給餌する前のページで、給餌の際はシェルターをどかしても問題ない旨書きましたが、拒食の原因が精神的なストレスの場合は極力刺激を避けたいので、シェルターをどかさないで給餌します。シェルター下の個体の位置を横から覗いて確認し、そこめがけてピンセットで餌を差し込みます。これは待ち伏せ方の捕食者本来の捕食方法に近い状態になるためか、けっこう有効です。 別の個体の捕食シーンを見せる複数で飼っていないと行えない方法ですが、別の個体の捕食シーンをみせることで食欲をあおることができます。というのも、特に原因もなく餌を食べないときは、どうも餌を餌として認識できていないふしがみうけられます。別の個体が食べるのをみてはじめて餌だったのか!と気がつき、目の色を変えてピンセットの動きに反応しはじめることがよくあります。 ばら撒き給餌しばらくピンセットでの給餌をやめて、活餌(幼齢のコオロギやワラジムシなど)をばら撒いて給餌してみます。夜中のうちに食べてくれるかもしれません。ただ、目の前で食べてくれないことには、飼い主の不安は解消できないのが難点です。 水中給餌水槽内に水場を設けて、水中にいるクロサンショウウオに給餌する方法です。クロサンショウウオは、なぜか水中では貪欲さが増すのです。なぜなんだ!? しばらく給餌を控えるしつこく食べさせようとするのは逆効果で、さらにガンコな拒食に陥る場合があります。1ヶ月程度食べなくても餓死の心配はあまりいらないので、あせらないことです。 なるべく自然を再現する森林から落ち葉などをよく含んだ土壌を持ち帰り、小鉢に入れて水槽内に置いてあげるか、その土壌を敷き詰めた水槽で飼ってみます。このような土壌中には、サンショウウオの好物がたくさん棲んでいます。 強制給餌ミンチした餌を強制的に胃袋へ入れてやる方法です。非常に大きなストレスを与えてしまう方法なので、悪くすれば”とどめ”をさすことになる可能性も・・・。喉元を胸側へ押し下げるようにして口を開けさせるか、テレフォンカードなどで上手にこじ開け、スポイトや注射器状の器具を差込んでペースト状の餌を注入します。 どうしても食べない採取した個体なら、手遅れになる前に採取場所へ逃がします。購入した個体の場合は、飼育のベテランやプロショップに一時預かってもらうか、腹を決めて強制給餌に踏み切ります。
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