ハイドロカルチャー用セラミックボール 両生類飼育の際の床材として、ハイドロカルチャー用のセラミックボールを使う人が増えてきました。 ここでは、ハイドロカルチャー用セラミックボール(以下ハイドロボール)について調べたことを書きます。はたして、本当に両生類の床材に適しているのかっ!?
2000. 8.22 検査開始〜!クロサンショウウオ達が大きくなってきて、現在の60cm水槽(当時)では窮屈になってきたため、90cm水槽に移すことにしました。水槽が大きくなると、床材を追加する必要があるので、現在も床材として使用中であるハイドロボールを追加購入。いい機会なので、その性質を調べてみることにしました。 水質に与える影響について
話はそれますが、春先に測った水道水のpHが中性(pH7.0)だったのに、この日は弱酸性(pH6.5)。よく言われていることですが、水道水であっても、pHの変動(季節による?)があることが確認できました。 通水性水に入れた直後のハイドロボールは一部が水に浮きます。浮いたハイドロボールは3日経った今でも沈んでいません。一方、水に入れた直後に沈むものもあることから、ハイドロボールの素材自体の比重は水よりも大きいので、浮いているものは、内部に空気がたまった状態だと考えられます。不連続の空隙があるのでしょう。ハイドロボールの通水性はあまり良くないといえます。 さて、この先はコップの水を換えながら様子を見ていきたいと思います。以降の検査では、
という点に注目。せめてpHが落ち着くまでは、水槽には使えません(実はもう、どっさり買っちゃってあるんですよ(^^;;。どうなる!?) 2000. 8.23 途中経過一夜明けて、pHは7.0(中性)になっていました。順調に水質の変化が穏やかになってきています(1日しか経っていなくて、アクの染み出しがまだ不十分ということかも!?)。とりあえず、また水換え。この調子でいけば、それほど時間をかけずにアク抜きが完了しそうです。 水に浮いているハイドロボールは沈む気配すらありません。沈んでいるのは粒の小さなものが多く、大きいものは浮いている。やはり粒の大きいものは、その分、中に空気を多く含んでいるようです。 ハイドロボールの塗料
この塗料が、pHや最初の濁りに影響を与えている諸悪の根源に思えます(特に強い毒性はないことは、今までの飼育結果からもいえますが)。ハイドロボールの茶色は、いかにもナチュラル志向っぽい感じの色で、見た目の雰囲気はよいのですが・・・。 2000. 8.31 もう少しかなたまに気が向いた時に水を換えつつ、ハイドロボールを水に浸けて13日が過ぎました。現在のpHは7.0。中性とはいえ、水道水がpH6.5だったことを考えると、もう少しアク抜き完了までには時間が必要です。今回の場合、これを底砂として用いようと思っている水槽をまだ購入していないということもあり、のんびりとアク抜きしていますが、急ぐ場合は、煮出すなどしたほうが良いかもしれません。煮出すことで、どのくらいアク抜き効果があるのかについては、いずれ実験したいところです。 はじめは2/3くらいのハイドロボールが浮いていましたが、今は半分ほどになりました。時間はかかりましたが、水を吸って沈んだわけです。この水の染み込みにくさから、逆に、乾燥しにくいということが想像できます。乾燥に弱い両生類飼育には、保水力の強さは魅力。 2000.10. 7 おわりふと気が付くと、アク抜きをはじめてから一ヶ月以上が経っていました(^^;。最近は水換えもサボりがちになっていましたが、ハイドロボールの吸水のほうは順調に進み、今では浮いているものはわずか4粒。 水質のほうはさすがに安定し、もう安心して飼育に使えます。アク抜きにかかる時間については、こまめに水質をチェックしなかったので正確にはいえませんが、まあキリの良いところで一ヶ月かかるという事にします(^^;。 新しい90cm水槽の導入が遅れており、せっかくアク抜きを完了したにもかかわらず、使うのはまだ先になりそうです。とりあえずは、サンショウウオ水槽で使用中のハイドロボールをひとつかみほど移しておいて、バクテリアの定着でも期待しましょうか(ただし、ハイドロボールは保水力が非常に高く内部の水の循環はあまり良くないので、バクテリアの繁殖面積は市販の専用濾材には劣ると思われる)。 煮沸によるアク抜き効果の検証等について課題として残りましたが、ひとまず、この実験には幕を下ろしたいと思います。 結論:ハイドロボールは使用前に一ヶ月くらいのアク抜きが必要。
トップページ > サンショウウオの飼育 > 成体の飼育設備1 > ハイドロカルチャー用セラミックボール
|