給餌量の目安について

 表−1は有尾類の酸素消費量から割り出された1日あたりの基礎代謝量(安静時の代謝量)です。クロサンショウウオはいつも安静にしているので、この基礎代謝を目安に給餌量を決定することができます。

表−1 基礎代謝量(kcal/day)
体重(g) 5℃ 15℃ 20℃ 25℃
1 0.002 0.005 0.008 0.01
5 0.008 0.02 0.03 0.04
10 0.015 0.03 0.04 0.07
20 0.03 0.06 0.09 0.12
30 0.04 0.08 0.12 0.17
40 0.05 0.10 0.15 0.21
50 0.055 0.12 0.18 0.25
60 0.06 0.14 0.21 0.29
70 0.07 0.16 0.23 0.33
80 0.08 0.18 0.26 0.36
90 0.09 0.20 0.29 0.40
100 0.10 0.21 0.31 0.44
500 0.35 0.80 1.1 1.6
表−2 餌のカロリー(kcal/g)
種類 カロリー
ヨーロッパイエコオロギ 1.9
ミールワーム 2.1
ミミズ 0.5
ピンクマウス(授乳前) 0.8
ピンクマウス(授乳後) 1.7
アダルトマウス 1.7

 例えば、15℃で飼育している体重30gのクロサンショウウオにヨーロッパイエコオロギを与えるとした場合、1週間に何グラム与えれば良いか、上の表から割り出すと次のようになります。

  1. 表1のとおり、体重30gで体温15℃の場合、1日あたり0.08キロカロリーが必要。

  2. よって、1週間では0.08×7=0.56キロカロリー。

  3. 表2のとおり、ヨーロッパイエコオロギは1gあたり1.9キロカロリー。よって、0.56キロカロリーに相当する量は0.54÷1.9≒0.28g。これが1週間に必要なコオロギの量です(厳密には消化吸収率を考慮する必要アリ)。

 Mサイズのコオロギだと0.1グラム程度なので、3匹与えれば、生きるうえでのカロリーは十分(痩せも太りもしない)ということになります。
 ただし、病気からの回復期や怪我をしている場合などは、より多くのカロリー(1.5倍)を必要とするので要注意。

参考

 同じ両生類の無尾類(カエル)と無足類(アシナシイモリ)の基礎代謝量について、参考までに以下に示します。

無尾類(kcal/day)
体重(g) 5℃ 15℃ 20℃ 25℃
1 0.006 0.01 0.01 0.02
5 0.02 0.04 0.04 0.08
10 0.04 0.07 0.08 0.14
20 0.06 0.13 0.14 0.25
30 0.09 0.18 0.19 0.35
40 0.11 0.22 0.24 0.45
50 0.13 0.26 0.29 0.54
60 0.16 0.30 0.34 0.63
70 0.18 0.34 0.39 0.71
80 0.20 0.38 0.43 0.80
90 0.22 0.42 0.47 0.88
100 0.24 0.46 0.52 0.97
500 0.87 1.6 1.9 3.7
無足類(kcal/day)
体重(g) 20℃ 25℃
1 0.003 0.008
5 0.01 0.04
10 0.03 0.09
20 0.06 0.19
30 0.09 0.27
40 0.13 0.38
50 0.16 0.47
60 0.19 0.59
70 0.23 0.70
80 0.26 0.80
90 0.29 0.91
100 0.33 1.0
500 1.8 5.6

参考文献・・・AMPHIBIAN MEDICINE AND CAPTIVE HUSBANDRY
(Kevin M.Wright・KRIEGER PUBLISHING COMPANY)

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