なぞの失踪事件

 飼育当初、私は水槽にフタをしていませんでした。
 サンショウウオがあんなにも脱走の名人だったなんて、全然知らなかったのです・・・。

成体の数が減るのはなぜ!?

 当時は、成体の数が減っていく原因が、脱走なのか共食いなのか半信半疑でした。しかし、まさか成体に共食いはないだろうとも思っていました。
 そんなある日、部屋の片隅でひものになった個体を発見し、直後には脱走の現行犯も目撃し、ようやく脱走が原因だとわかったのです。
 はじめてひものを見つけたときのショックとかなしさは一生忘れられません。
 あわててフタを設置したのですが・・・。

それでも逃げる

 新しく設置したフタには、給餌用の小窓がついていました。
 当初、この小窓を、換気目的で開け放しにしていたのですが、なんとここからも脱走。小窓には1.5cmの返しがあったのですが、その程度では脱走を食い止めることはできなかったのです。
 そのとき脱走してホコリまみれの瀕死状態(足や指先が乾燥しかかって反り返っていた)で発見された個体は、大急ぎで汚れを流し、祈るような気持ちで飼育水につけておいたところ、しばらくして動き出し、完全復活しました(本当によかった!)。

 現在(当時)は、6cmほどの返しがあるフタをベニヤ板で自作し使用しています。中央部は大きく開いており、メッシュなども張っていませんが、さすがに6cmのオーバーハングを乗り越えることはできないでしょう。また、体もかなり太ってきているので、昔のようにガラス面を登ることすらできないようです。


当初のフタ

 これが問題の当初のフタ。上の小窓を空けておいたら脱走した。他の隙間は、台所の排水口ネットをビニールテープでくっつけて塞いである。おしゃれに飼いたかったのに、格調低くなってしまいました(;;)。

 現在(当時)のフタは、150円くらいのベニヤ板をのこぎりで切って加工して作成。左上の切り欠きはフィルターのホースを通す穴(ここから脱走の危険がないこともないが・・・)。
 右側には角材をネジで止め、送風ファンを取り付けられるように工夫してある。
 中央部は大きく開いているが、さすがに、これだけのオーバーハングを乗り越えることは不可能だろう。

現在のフタ

・・・再び脱走事件発生!!!(1998.11.19+その数日後)

 考えは実に甘かった。脱走が再発してしまいました。

 仕事のお昼休みに、たまたまアパートに戻って昼食をとった日のことです。
 さて職場に戻ろうかと、玄関で一歩踏み出したそのとき!足元すれすれにトカゲのような物体が!はじめはそれが家のサンショウウオとは思いませんでした。まさか脱走できるとは思わなかったので、外から入ってきたのだろうと考えたのです。
 でも、水槽の中の数を数えると確かに一匹足りません!

 幸い、脱走してからあまり時間が経っていなかったようで、大事には至りませんでしたが、もし踏んでしまっていたらと思うと・・・。とりあえず、あやしい左上の切り欠き部分に、その辺にあったプラスチックの定規を乗せて封印。さてどうしようか。

繰り返される失敗

 定規を乗せたまま、数日後のある日。
 なんと、朝目を覚ますと畳の上に脱走者1匹!!あわてて水槽に戻し、数を確認すると、さらにもう一匹たりない!蒼くなって、部屋中探し回りました。事態は一刻を争います。ようやく、水槽台の下に発見したときはホッとしたのなんの・・・。

 何度もサンショウウオを危険な目にあわせて、やっとわかりました。

「どんなに返しが大きくて、逃げ出せそうになくても、完全に隙間をなくさなければならない!


最新の40cm水槽フタ

 左写真は40cm水槽につけたフタです。
 開口していた中央部には新たにネットを張り、左上の濾過パイプ部分はプラ板を加工して貼り付け隙間をなくした。このフタを閉め忘れさえしなければ、脱走経路は皆無。
 最初からここまでやるのが、サンショウウオ飼育では常識だったのでしょう。皆さんは私のような甘い考えで、大切な命を失わせることのないよう気をつけてください。

 右写真は60cm水槽につけたフタです。完全に隙間はありません。手前はガラス、後ろはネットになっています。
 換気・冷却用のファンもネジ止めしてあります。濾過器につながるホースが出る孔は、ホースの直径ぎりぎりに開けてあります。

60cm水槽フタ
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