はじめに憧れの有尾類との出会い 図鑑でしか見たことのない珍しい彼らを、いつの日か飼育してみたい! 社会人になり生活も落ち着きはじめた頃、ふと思い立ち、いよいよ夢を叶えんとタモ網片手に近所の山に繰り出した私は、棚田のため池で2〜3cmの幼生を15〜6匹ほど捕まえたのでした。 これってサンショウウオ!?当時はサンショウウオに関する知識は皆無で、連れ帰った幼生はアカハライモリだと思っていました。ここに、当時のHPに掲載していたはずかしい日記があります。笑ってやってください(なんと日記は2日でやめた。三日坊主にもならない)。 一向にお腹が赤くならない彼らをいぶかしく思いながらも飼育を続け、12匹が成体になりました(始めに変態した個体は陸地不足で溺死させてしまった)。図鑑で調べたり、また水族館で実物と見比べたりして、ようやく「クロサンショウウオ」であると分かったのがこの頃です。その後、”脱走”という大失態を経て、また新しい仲間が加わり、そして別れもあり、目下8匹を飼育中です。 無計画・知識不足・失敗だらけで、悪い見本といえるスタートでしたが、現在はどうにかこうにか軌道に乗り、皆元気に育ってくれています。いずれは繁殖をねらい、自己満足ながら、捕まえた数以上に山に返せる日が来るのを夢見ています。 クロサンショウウオの入手方法 上述のとおり、私の場合は山に行って幼生を捕まえてきました。生息地の状況が分かり、飼育の参考にもなりとても良かったです。 これから飼育をはじめようとする人へ「失敗は成功のもと」といいます。たとえ失敗をしても、そこから何かを学び取れば一歩成功に近づくことができるという、前向きな考え方です。 どうか、このことわざを安易に生き物の飼育に当てはめないでください。 ここでいう失敗とは、飼育中の生き物を死なせることを指しています。経験不足や不注意など、さまざまな原因で失敗は起こりえますし、そこから何かを学ぶことはもちろん大切なことです。しかし、どれだけ多くのことを学んだとしても、死んだものは二度とは戻ってはきません。飼育の失敗は結果的には成功のもとになるかもしれませんが、それ以前に”取り返しの付かないもの”であるということを、心に留めておいて欲しいと思います。
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