脱走

 サンショウウオの皮膚はとても薄く水を透しやすい構造をしています。そのため、乾いた環境下では体内の水分が抜けやすく、体重の25〜40%程度以上の水分を失うとほとんど生きていられません。
 体の体積に対して表面積が大きい−体型がほっそりしている、尻尾が長い、幼体(体が小さい)−ほど、脱水に対する耐性がありません。
 飼育下のサンショウウオにとって水槽の外は砂漠同然。絶対に脱走することのないよう、水槽に油断なくフタをすることが第一です。

 にもかかわらず、脱走を許してしまった際の対策について以下に取りまとめました。


両生類の皮膚

(参考)人間の皮膚

すぐに行うべきこと

  • 家具の隙間などいろいろな場所に濡れタオルを突っ込む。

 これは、以前に掲示板で教えていただいたアイデアで、以来、私がもっともプッシュしている救急措置です。濡れタオルが「砂漠のオアシス」となり、サンショウウオの命を救えるかもしれません。実際に、放り投げてあった濡れ雑巾の隙間にもぐりこんでいたところを、無事保護した経験があります。

どこを探すか

 サンショウウオは水槽から脱走した後、部屋を横切り、壁にぶつかったところから壁沿いに移動し、家具の隙間等に入り込んだ可能性があります。また、光を避け、暗がりに向かう性質があります。初めにそれらの場所を探してみてください。
 見つからない場合は、先入観を捨て、機械的に、部屋の端からしらみつぶしに探します。壁面を登って高いところにいく可能性はゼロに近いですが、段差程度は乗り越えます。押入れの一番奥に入りこんだかもしれませんし、玄関まで這っていって靴の中に落ちたかもしれません。タンスの裏にホコリの塊を見つけたら、それがホコリまみれのサンショウウオかもしれません。飼い猫のお腹の中かもしれません。
 探している間にも、サンショウウオは移動します。そのため一度探して見つからなかった場所も、二度、三度と繰り返しチェックします。

一刻を争う!

 脱走した直後から、砂時計の砂が落ちるように、徐々に、確実に、サンショウウオの命が失われていきます。できれば、仕事や学校は休んで探して欲しいと思います。
 まる1日行方不明になり、濡れタオルにも姿を現さなかったら最悪の事態を覚悟しますが、見つかるまで捜索をあきらめません。

見つけたら

 程度の差はあれ脱水症状を起こしているはずです。ひたひたの飼育水に浸けて回復を祈ってください(サンショウウオは口ではなく皮膚から水を吸収します)。
 また、飼育設備を点検して脱走経路を特定し、対策を講じます。

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