おしゃれに飼いたい!水辺の風景は、どこか私達を引き付ける魅力にあふれています。流行のアクアテラリウムはそんな水辺を表現した水槽。大胆にレイアウトされた流木からは水滴がしたたり、木々の間をうっそうと埋めつくす鑑賞植物は、その可憐な花で春の訪れを告げる・・・あぁ・・・そして、繊細な水草の隙間から、ときおり顔をのぞかせる色とりどりの熱帯魚たち。あたかも、大自然の一部を切りとって水槽に入れてしまったような・・・なんて欲張りなボク。 ・・・こんな水槽なら奥様にも受けがよく、お客さんが来たときでも自慢して見せることが出来るでしょう。 素材の検討発泡スチロールの利点
欠点
よし!バックスクリーンをつくろう私がこう決意したのは、じつはポリプテルスのための90cm水槽を購入してからでした。せっかくだから何かかっこいいレイアウトをしたいと思いましたが、重さが心配だったため発泡スチロールを使うことに。ホームセンタームサシで1m四方、厚さ10cmのものを(1800円くらいだったか?)購入してきました。何しろバックスクリーンを作るのは初めてだったので、なかなか作業が進みません。 大まかなデザインを描くこの工程に、一番時間がかかりました。
私は、右側に流木の根元を再現し、バックは自然な感じで水が滴るように、大胆な凹凸を付けることにしました。流木の根元は立体的にデザインしてあり、その裏側に入ったりできます。
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デザイン方針は、ごつごつした岩肌にコケが活着し、ぽたぽたと水滴が落ちるような感じ。バックと土留めを発泡スチロールで作成します(右図参照)。 さっそく、ざっとポスカで絵を書いて、今度は慎重に寸法を書きこみ、なれた手つきで削り出し&ディテール付けです。ここまで、驚くほど手際よく作業が進みました。 |
そして、いよいよ水槽にはめてみます。・・・またも、ちょっときつすぎで入りませんでした。しかし今回は切り過ぎないように慎重に大きさをあわせ、みごとうまくはまったのでした。水槽をぬらすとすべりが良くなってはめ込みやすいですよ。
水槽に入ることが確認できたので、いよいよ塗装です。
塗装に用いたのはホームセンターで購入した水性スプレーです。水性といっても乾けば水には溶けません。注意するのは、発泡スチロールに塗れると明記されているものを選ぶこと。
近くの公園に行き、持っていた新聞紙をひろげて塗装作業開始!
「ブラック」を全体に吹く。ざっと乾くまで10分ほど待つ。塗り重ねの度にアク抜きが必要らしいが、厚塗りするつもりがなかったので、このまま次の色塗りにとりかかる。
「チョコレート」をかるく吹く。すぐ乾く。
「ブラウン」をほんのすこし吹く。すぐ乾く。
「つや消しフラット」を全体に吹く。
最後のつや消しフラットは、つやがあるとカッコ悪いので使いましたが、初めからたいしてつやが出ていなかったので、吹く必要はなかったかも。この日は天気が良かったので、塗料は見る見る乾きました。
で、家に帰って、アク抜きです。アク抜きはシャワーで60度のお湯(ここまでしか出なかった)を5分くらいかけ続け、念のため、お湯を張ったお風呂に10分程浸けることで完了としました。完全ににおいは抜けませんでしたが、専門誌によるとこのくらいやれば十分だそうです。
お風呂に浸けたときに気がついたのは、その浮力の強さです。
60cm×15cm×3cm程度の発泡スチロールであっても、大の大人の力でえいっとやらなければ、完全に水中に沈めることは出来ません。
このぶんでは、水中部分に設置する土留めは、よほどしっかりはめないと浮いてしまうかもしれません。
しかし、そのためにも、上図で示してあるとおりL字型の”控え”を作っています。この控えの部分に床材がのるわけなので大丈夫なはず、浮きません。(浮かないでくれ!)
いよいよ実際のセッティングです。図のとおりに底面濾過をセットし、出来あがったばかりのバックスクリーンと土留めをぎゅっと押し込んでセットしました。
続いてセラミックボールを避難用40cm水槽から移し(サンショウウオはさらに別の容器に避難)、いよいよ給水です。
恐る恐る、予定の水深まで水をいれます。
「よし、大丈夫だ」さっそく、サンショウウオたちを新しい水槽に移し、濾過器の電源も忘れずに入れ、ビールを片手に満足してながめます。濾過器を通った水はバックの最上部にセットしたシャワーパイプから、バックの凸凹をつたわりながら流れています。めちゃかっこいいです。
あとは、ここに植物を植えてうまく繁茂すれば完成です。
その日は満足して眠りについたのでした。
数日間は平和に過ぎました。いえ、そう思いこもうとしていました。毎日すこしず〜つ浮き上がってくる土留めを、見て見ない振りしていたのです。
・・・失敗の原因はL字型の控えを設けたことでした。この部分が押さえになるどころか、かえって浮き輪のような役目を果たしたようでした。
「いったいどうすれば・・・」せっかく作った土留め、無駄にはしたくありません。
結果的に、このL字部分が、思いがけず役に立つことに。私はあわてずさわがず、ここにつっかえ棒をかませ、みごと浮き上がらないようにしたのでした。 |
さらに、このつっかえ棒は園芸用のヘゴ材を使って作ったので、あとでポトス等の園芸植物を活着させれば、すごくかっこよくなるはず。大成功です。
それにしても、浮き上がった土留めの下に砂が入ってしまったため、一度入れた砂と水をすべて出して、セットしなおすのは大変でした・・・。
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その後、ポリプテルス水槽で増えまくっていたミクロソリウムと、ショップで買い足したウィローモスをぺたぺたとバックに張りつけ、とりあえずの完成としました。あとはつっかえ棒になにか植物を活着させ、水中部分にも何か植えたいです。 |
半田ごてがあれば、このくらいのディテールは簡単に入れられますよ。私はこのためだけに半田ごてを買いました。2000円くらいだったと思います。 |
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葉っぱから滴り落ちる水滴。いいですね。そのうち、ウィローモスがびっしりと繁茂し、味わい深い風景になるハズ。水質向上にも有効ですし、きっとサンショウウオたちも喜んでいることでしょう。 |
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