床材選びあれこれ

土壌pHについて

 我が家のクロサンショウウオの故郷であるスギ林の土壌pHは、一般に4.0〜6.5。
 尾根は雨で塩基が流亡しやすく、斜面下部ほどpHが高くなる傾向があるため、飼育管理下では「pH6.5を超えない弱酸性」を目安とします。 床材選びさえ間違わなければ、「pH6.5を超えない弱酸性」で管理するのは容易(水換え頻度だけで十分調整できる)。
 熱帯魚用の床材を用いる場合は、特にアルカリ性に傾ける商品は避けるようにします(例:サンゴ砂、貝殻の多い大磯砂、珪砂など)。

 ちなみに、クロサンショウウオがスギ林で多く見つかる理由のひとつは、スギがクロサンショウウオが好むような湿潤地で育ちが良いため、そういった場所に植林されることが多いからです。(もうひとつの理由は、スギ人工林には作業道があり人間が訪れやすいから。)

よく使われる床材

 私がオススメしているハイドロボール以外にも、次のような床材が用いられます。

ミズゴケ

 たいていの飼育書で紹介している床材が、ミズゴケです。保水性が良く、容易に潜れてシェルターになるという利点があります。


園芸用の一般的なミズゴケ

活きミズゴケ

 ミズゴケは園芸店で入手できます。
 最も一般的な商品(上写真左)は、白っぽく色あせた感じのミズゴケ。安価で広く出回っていますが、煮沸処理されているようで、もろく、細かい屑が出やすいのが欠点です。ある程度頻繁に取り替える前提で使用するのが良いように思います。
 上写真右は、ちょっと大き目の園芸店等で入手できる「活きミズゴケ」です。干からびて休眠した状態で売られていますが、水気を与えると復活します。繊維がしっかりとしていて細かい屑はあまり出ません。しかし、枝や枯葉などが少なからず混入していることがあります。定期的にもみ洗いし比較的長く使い続けることができます。
 いずれにしても、ミズゴケ自体が有機物であり、腐敗すればアンモニアの発生源になるため管理に油断ができません(私のようなズボラには不向きか)。

キッチンペーパー・スポンジシート

 一方で、機能面を追求し、取替えが手軽で清潔さを保ちやすいキッチンペーパーや、簡単に洗えるスポンジシートを敷く人もいます。キッチンペーパーは定期的な取替えで、スポンジは揉み洗いで管理します。好き嫌いが分かれると思いますが、これらも優れた床材だと思います。

 「土」を使うことがもっとも自然な飼い方だと思いますが、なかなか管理が難しいでしょう。上級者向け。

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