森林はなぜ涼しい?

 クロサンショウウオは暑さが苦手です。
 クロサンショウウオが棲んでいる森林は、なぜ、夏でも涼しいのでしょうか。

立地条件

 ひとつには、日本の森林の多くが山地に分布しているという特徴が挙げられます。
 気温は標高が高くなるほど低くなり、日本の場合、100m上がるごとに約0.6℃下がります。森林は、その立地条件から、元々気温が低いのです。

森林の作用

 次に、森林の存在そのものが気温を緩和する働きがあります。

日光を遮断

 豊富な葉や枝で日光をさえぎって日陰を作り、地面に届く太陽エネルギーを少なくする働き。
 葉で遮った太陽エネルギーの一部は光合成のためのエネルギーとして消費され、気温を上げるエネルギーの量を減少させます。

蒸散の作用

 葉からの活発な蒸散により、水蒸気と共に熱を大気中に放出(気化熱)し、地表の温度を上げない働き。
 この蒸散と次に挙げる蒸発を合わせると(蒸発散)、森林から放出される水蒸気の量は、同じ面積の水面からの蒸発量に匹敵するといわれています。

蒸発の作用

 葉や枝・幹など、大きな表面積で雨水などを大量に蒸発させ(樹幹遮断蒸発という)、太陽エネルギーを気化熱として消費し、地表の温度を上げない働き。
 森林内部の複雑な空気の流れが、より蒸発を促進しています。


クロサンショウウオ生息地

土壌の性質

 土質や水分条件などにより差はありますが、土は熱が伝わりにくいという性質があり、太陽エネルギーで温められた地表の熱は、ゆっくりと地中に伝わっていきます。その間にも蒸発等の作用で地表の温度は下げられ、やがては日が沈み太陽エネルギーの供給がストップするため、土の奥まで熱くなることはありません。
 湧き水が真夏でも冷たいのは、その湧き水が流れてくる土の中が冷たいからです。 


 クロサンショウウオは、このような森林の土の中で生活しています。

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