メッシュハンガーでドライタワー設置
さらに大きなドライタワーを設置するために考えた、メッシュハンガーを用いた方法についてご紹介します。
頭を悩ますドライタワーの据付方法
タワーの据付けには、【1】水槽の上方に据付ける方法と、【2】専用のオーバーフロー水槽やサイフォン式のオーバーフローを利用して水槽の下方に据付ける方法の2種類があります。
【1】水槽上部に据付ける
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【2】水槽下部に据付ける(図はサイフォン式)
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【2】の方法は、何らかの原因でサイフォンが途切れてしまう可能性が捨てきれず、留守中の水あふれやポンプの空回り等が心配。心配性の私は【1】の方法を取ることに決めました。
しかし、どのようにしてタワーを水槽上部に固定すれば良いのでしょうか?素人作りの台座や支柱では強度が心配だし、持ち家でもなければ、壁に直接固定するわけにもいきません。
ドライタワーの濾過性能の高さを知りつつも、多くの方が設置に踏み切れない最大の理由がここにあると思います。
しかし、よい解決策が見つかりました!それは、メッシュハンガーの利用です(メッシュハンガーとは、床と天井に突っ張って金属メッシュの壁を作ることができる便利アイテム)。
以下に、具体的な設置手順を説明します。
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取り付けイメージ
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タワー取付部の作成
ドライタワーをメッシュハンガーに固定するための部品は、下表のとおりです。
タワー取付部の部品一覧
種類 |
数量 |
@立配管金具 |
2 |
A取付足(長さA:6.5cm、幅B:6.5cm)
※長さAは、水槽枠の幅より長いこと。ボルト穴の幅Bは、メッシュハンガーの1メッシュの幅より大きいこと。(私が使ったメッシュハンガーの1メッシュは5cm×5cm)
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2 |
Bボルト・ナット及び固定用金属プレート
※ボルトの長さCは3cm以上。
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2 |
C角材(幅6cm×厚2.5cm×長さ1m)
※幅は、できるだけ取付足のボルト穴の幅Bに近づける(角材は、右図のCの位置に設置します。図の長方形は、角材の断面形状)。
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1 |
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部品@〜B
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タワー取付部をメッシュハンガーに固定する
上記の部品を、以下の手順でメッシュハンガーの上部と下部2箇所に取り付けます。
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メッシュハンガーの裏側に角材をあてる。
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A取付足とB固定用金属プレートで、メッシュハンガー及びC角材を挟み込むようにして、ボルトとナットでしっかり固定する。
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最後に、@立配管金具を取付足にネジ止めする。ただし、後でドライタワーを固定するので、ここでは仮止めとする。
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角材を挟んで固定
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骨組みの完成
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タワー取付部を固定した後、メッシュハンガーを水槽の裏側に設置します。メッシュハンガーは、足の長さを調整して床と天井で突っ張って固定する仕組みになっているので、設置は手軽に行えます。
以上で、ドライタワーを設置するための土台が出来上がりました。
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タワー部の作成
続いてタワー本体を作成します。
今回、タワー部(ドライ濾過槽)には、手軽に材料が調達できる定番の塩ビ管(不透明)を用いました。透明塩ビ管が手に入るならそっちのほうが良いです。(ただし、透明塩ビ管は結構お高い!)
タワー部の材料一覧
種類 |
数量 |
@塩ビ管VU100(長さ1m) |
1 |
A塩ビ管VU100(長さ8cm) |
1 |
B塩ビ管継手 |
1 |
C塩ビ管エルボ |
2 |
D排水口用目皿 |
2 |
上記の材料を、右図のとおり組み合わせてドライタワーの本体部分を作ります。@とCの接合部のみ塩ビ用接着剤で接着し、他の接合箇所は、ぐいっと押し込むだけで十分です。
注)@の上部にフタをする前に、ドライ濾材を詰める。
なお、タワーの下部でエルボを2つ使い、排水口を上に向ける理由は後述します。
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ドライタワー本体の構成
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ちなみに、私が購入したDの目皿((株)カクダイ 0400丸目皿アミ 直径113mm厚み2.3mm)は、B塩ビ管継手、C塩ビ管エルボに見事にぴたりと収まり、非常に気持ちが良かったです(右写真)。ホームセンターを物色し、ちょうどよいサイズを見つけてください。
タワー上部のBと@の間の目皿は、タワーに流れ込む水を分散させるため、下部の@とDの間の目皿は、@内部に濾材を留めるためのフタの役割をします。
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サイズどんぴしゃ!!!
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濾材の投入
用いたドライ濾材
種類 |
数量 |
@アトロボール(黒) |
200個 |
Aバイオボール(青) |
80個 |
以前使用していたドライ濾材(@アトロボ−ル)のほか、今回新たにホームセンターで1個10円で売られていたバイオボールを追加して、ドライタワーに詰めました。
なお、タワー内の2種類のドライボールの配置に配慮し、右図のように小サイズのアトロボールを上部に、大きなサイズのドライボールを下部に入れました。細かい濾材を上段に配置することで、流れ込む水をできるだけ均等に分散させるとともに、タワー下部で水をスムーズに流下させ、濾材の水没を防ぐ狙いがあります。
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左:アトロボール
右:バイオボール
小サイズを上部に。
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めでたく完成
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濾材を詰めたドライタワーを、メッシュハンガーに2箇所設けたタワー取付部の立配管金具でしっかりと固定し、あとは適当にホースを配管して、ポンプアップした水を上から流せば完成です。
予想以上の仕上がりに満足・・・。
(揚水ポンプはレイシーRSD-20を使用。)
全高1.2m弱で、以前使っていた継ぎ足し式のドライタワーとそれほど変わりませんが、太さが倍増したことで、私の狭い部屋にはすごい迫力です。水槽が水槽ラックの上段に置いてある関係で、タワーは天井スレスレ。
いずれ水槽を下段に置き、さらにタワーを1m高く継ぎ足しちゃる!!!(野望)
高さを増やすだけでなく、タワー設置台数そのものを増やすのも濾過能力アップには良い手段。ツインタワー、トリプルタワー・・・野望は尽きない。
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水の出口について
水の出口では、写真のように塩ビ管とエルボを組み合わせて排水口を上に向け、水ためを設けました。
この水溜めは、水槽に設置してある連続pH計の電極部を入れるために設けたもので、水換え時などに電極部が水から出てしまうと故障の原因となるため、工夫したものです。ついでにヒーターもここに入れました。
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水ため
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ただし、この水ためには大きな欠点があることに気がつきました。
それは、ドライ濾材に棲む好気性バクテリアにとって重要な、タワー内の「空気の流れ」が滞るということです。タワー内にエアーレーションを施すことで改善できますが、余計な電気代もかかり得策ではありません。
せっかく工夫した水ためですが、撤去を含め、検討の余地が残りました。
レイアウト例
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メッシュハンガーには、さまざまな小物をぶら下げることができます(これが本来の使い方)。ちょっとした飼育用具の整理に有効に活用しましょう。
飼育用具だけでなく、ミニ観葉植物やインテリア小物を飾り、オシャレにレイアウトすることもできます。
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こっちがホンモノ(笑) ⇒ 「まじめなレイアウト例」
ここまで記事を書いてから、結局、気になっていた水ためは撤去しました。やっぱ、ドライタワーなのに通気性が悪いのは正しい姿ではないな、と。
※タワー部の材料一覧表の中の、A塩ビ管VU100(長さ8cm)とC塩ビ管エルボの1つが不要となります。
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出口を水没させない
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で、pH計の電極部については、水中にテトラミン・ベビーの空き容器をキスゴムで固定し、そこに入れることにしました。これで水換え時に水位を下げても、電極部の先端は容器にたまった水の中。安心です(^^)。
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電極部用の水ため
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