ジャイアントミールワーム養殖記録
2003. 1.11 サナギになあれ
2003. 1.13 サナギになった
2003. 2. 6 成虫になった
2003. 2.12 成虫の様子
2003. 3 .2 複数飼育開始
2003. 4.20 交尾しました
2003. 7. 3 うじゃうじゃ!!
ペットたちの餌として活躍中のジャイアントミールワームの養殖記録をお届けします。
ジャイアントミールワームは幼虫の状態で売られているので、養殖するには以下の3段階を経て、卵を産ませなければなりません。
上段がジャイアントミールワーム。下段はノーマルのミールワーム
単独飼育の設備
ジャイアントミールワームの幼虫は単独飼育しないとサナギにならないそうです。サナギの状態は身動きがとれず、仲間に共食いされる危険性が高いため、そのような性質があるようです。
単独飼育の設備には、ホームセンター等で売られているデリカップが安価で便利です。
デリカップのフタには空気孔を開けます。空気孔を開ける際のポイントは、中央部ではなく周囲に開けること。こうすると、デリカップを積み重ねても下になるカップの空気孔がふさがらず、ストックに便利なのです(下図参照)。
この中にクワガタムシ・カブトムシ用に売られている腐葉土を敷き、霧吹きして少し湿らせた後、一匹ずつ幼虫を封じ込めました。
サナギ部屋?
上記の方法で20匹のジャイアントミールワームのストックを開始して、20日あまりが経過。
いまだ蛹化した幼虫は見当たりません(経験上、1ヶ月ほどかかるとみている)。
この間に面白い行動が観察できました。ジャイアントミールワームが自分の周りの腐葉土をキレイに押しのけ、その中央で丸くなって動かなくなったのです(右写真)。
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カップの中の腐葉土の厚さが少ないため、それはただの窪みに過ぎませんでしたが、もしかすると自然界では仲間から共食いされないように地中深く潜り、サナギになるための部屋を作るのではないでしょうか?
つまり、飼育下でもたっぷりの床材を用意すれば、個別ストックする必要はないのでは!?いずれ試してみたい・・・。
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なお、デリカップには餌としてキャットフードを一粒ずつ入れておきましたが、すぐにカビてしまいました。腐葉土も餌になりますし、個別飼育を始めて数日後には、サナギ部屋(?)で丸くなって動かなくなるので、特に餌を入れる必要はないみたい。
昨晩、早くもサナギになった1匹を見つけました。丸くなって動かないまま皆死んでしまったのではと内心不安でしたが大丈夫でした。
今朝になって、2匹目のサナギを発見。順調です!(^^)
サナギの尻尾の先には、脱ぎ捨てられた靴下のように縮まった脱皮殻があることに気が付きました。イモムシからサナギへのダイナミックな変身は、この脱皮により行われた模様です。
水滴をたらすとビヨヨ〜ンと伸びそう(縮んだストローの袋みたいに)→
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サナギと脱皮殻(右上)
脱皮殻のアップ
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さらに
↑を書いている最中にも、気が付けばまた1匹が変身完了(計3匹)。ああ〜、脱皮の瞬間が見たかった!
え〜と冗談みたいなのですが、↑の一文を書いて少し経ってからまた見にいくと、さらに1匹が変身し終えてました(計4匹)。いよいよサナギ化の最盛期か!?
次こそは変身の瞬間を見逃さないようにと、現在デリカップをずらっとテーブルの上に並べ、じっくり観察中。
虫はちょっと苦手だったはずの私ですが、なんかもう全然平気っす(爆)。
20匹の幼虫を親種にするべくカップに封じ込めて1ヶ月弱。うち1匹は、残念ながら死亡してしまったのですが、15匹が順調にサナギになりました(残り4匹は未だ幼虫)。
連鎖反応
結局、サナギ化する前の最後の脱皮は観察できなかったのですが、サナギ化の連鎖反応という面白い現象が観察できました。
それは、1匹がサナギになると、その日のうちに、さらに3〜4匹が連鎖反応のようにサナギになるという現象です。そのときサナギ化しなかった幼虫は、数日後に、またしても一晩のうちに数匹まとめてサナギ化するのです。何かの意味があるのでしょうか。
もうすぐ羽化?
数日前から、頭部や足に茶色の発色が見られるサナギが観察できるようになりました。ケースを持ち上げると、その振動に反応してビックンビックンと激しくお尻を振り回してのた打ち回ります(プチ恐怖)。
色が変わってきたのは、きっとサナギの内部で成虫の外皮形成が進んできた証拠でしょう。見ると、足はまだ白くても、目の色が濃くなってきたサナギは多数。
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羽化間近のサナギ
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コリャ、もうすぐ羽化しそうだゾ・・・そう思いながら、別のカップに目をやると、なにやら変わった物体がもぞもぞと動き回っていた。
出たッ!
なんと成虫です!!!早くも1匹目が羽化したのです!(4日の出来事)
サナギになってからおよそ20日。例のごとく、羽化の瞬間も見逃してしまったわけですが、羽の色からして、羽化から間もないと思われます。
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2月4日
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それにしても、この透き通るような白さ!可憐な花びらのようです。まあ、グロいことはグロいんですが(笑)、なんとも美しい・・・。
翌朝
翌朝になると、ピーナッツ色になってじっと動かなくなっていました。
最終的には真っ黒のかわいげのない甲虫になるわけですが、思ったよりも色の変化が遅い。普通こんなもんなの?
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2月5日
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さらに次の日
さらに1日経った今日。色は濃くはなってきましたが、まだ黒には程遠い。大丈夫なのだろうか???
ためしにケースをゆすってみましたが、全然動きません。少し強くゆすってもダメ。もっと強くゆすったら、転がって逆さまになってしまいました・・・(゜▽゜;)。それでもピクリとも動かない。
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2月6日
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温度の管理が悪かったのだろうか・・・やはり羽化したてというのは昆虫にとって危険な時期なんだろう。勉強不足を後悔・・・。
ところがその時、触覚がわずかに動いた!
そういえば、クワガタムシは羽化してからもしばらく蛹室の中にとどまり、じっと外羽が硬くなるのを待つといいます。この成虫はまさにその最中だったのでしょう。
しばらくして見ると、腐葉土の塊の影に頭を突っ込んで、また動かなくなっていました。ちょっと割り箸でつついたら、おしりをクイっとあげて威嚇してきた(殺気)。
無理やりたたき起こされてかなりご立腹の様子。もう邪魔しないからゆっくり休んでおくれ・・・。
右写真は、羽化から6日の様子です。かなり色が濃くなりました。
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2月9日 まだわずかに赤みが残る
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羽化から丸1週間経って、ようやく真っ黒に。餌はまだ与えていません。
だいたい1日に1匹ペースで羽化しており(蛹化と違って連鎖反応がない)、今日現在成虫は8匹です。もう少し経ったら、成虫をひとつのケースに移し、いよいよ養殖に向けての成虫飼育に入る予定です。
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2月11日 つや消しブラック!
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どうも成虫は密集する性質があるようだ
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20匹の幼虫を個別飼育して、現時点で13匹が成虫に(うち1匹は羽化後数日経って死亡)。羽化を待つサナギが3匹。幼虫1匹(丸くなっており蛹化目前と思われる)という状況です。残りの3匹は幼虫のうちに死んでしまいました。皆同じ環境で飼育していたわけですし原因は不明・・・。
このような状況の中、昨日、12匹の成虫を衣装ケースに移し、いよいよ同居飼育を開始しました。
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衣装ケースにはクワガタムシ用の腐葉土を十分湿らせて敷き詰めてあります。同居させた直後から、オスと思われる個体がメスと思われる個体を追いかける様子が観察できました。普段はノソノソ歩いているくせに、メスを追いかけるときだけ妙にすばやい。交尾シーンは観察できなかったものの、この調子なら期待が持てそうです。
餌について
餌として、バナナとテトラミンを入れました。特にテトラミンを好んで食べています。また、霧吹きによりケース側面についた水滴をなめている様子が観察できました。ノーマルのミールワームはカラカラでも元気にしていますが、ジャイアントミールワームはやはり多湿のほうがよさそうです。
問題点発覚!!!
え〜、さっそく養殖をやめたくなってきました(爆)。
と言うのも、この子たちかなりの悪臭を出すのです。やはりヘッピリ虫の仲間です(ノーマルのミールワームは大したことないのに・・・)。
そうっと霧吹きをしただけで、防衛本能が働くのか、とたんに得体の知れない匂いを撒き散らす。ガマンできるレベルではありますが・・・。う〜ん。
う〜ん。
隠し撮り。
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たまに餌を追加し、霧吹きする程度で、世話らしい世話は行っていませんが、気がつけば交尾をしてました(4月16日)。近々卵を産むはず!
せっかくの卵がダメになってしまわないよう、産卵床である底床の湿度管理に特に注意が必要だと感じています。
適した湿らせ具合については、今後養殖を進める中でおいおい分かってくると思いますが、さしあたり、ぎゅっと握った時手のひらにかすかに湿り気を感じる程度を目安にしたいと考えています。
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が、ジャイアントミールワームの床材を握りたくありません。どうすればよい?(爆)
一昨日、ついに幼虫を見つけました。割り箸で底床を掘り返してみると、中から出るわ出るわ・・・。
大きなものはすでに4cm。これほど成長するまでその存在に気が付かなかったあたり、私のいい加減な飼育・観察の様子がうかがい知れるというものです。
もっとも餌用昆虫の飼育は、このくらいの手抜きさ加減がヨイ。
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市販物と比べ色がかなり黒い。
床材に黒色の腐葉土を使っているから?
(床材を食べて体内に成分が蓄積した)
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幼虫の好む湿度について
低頻度の霧吹きではどうしても床材が渇き気味になってくるため、それを挽回しようと、月に1度はコップ半分ほどの水を直接注いでいたのですが(おなじみの手抜きでございます:汗)、その結果、水を注いだ周りばかりがジメジメで、離れた部分はサラサラという湿度勾配が生じることになりました。
今回発見した幼虫は、ジメジメとサラサラの中間地点に大量に群れていました。
幼虫の好む湿り具合、判明です!
前回目安と考えた「ぎゅっと握って、かすかに湿り気を感じる」よりも多湿を好み、「しっとりしているが、ぎゅっと握っても水滴は垂れない」くらいが良いようです。※あくまでもイメージ。
なお、皆様からいただいたアドバイスをふまえ、飼育ケースには隙間のないフタ(発砲スチロール板)を付けていました。空気の流れが滞りますが、特に問題ないようです。
これからの方針
今後、幼虫が成長するにつれ、共食いの心配が増えていきます。そこで、育ったものから順に積極的に餌として活用し、個体密度を下げていこうと考えています。
あとは累代飼育。これを成功させる必要があります。
今後とも放任主義でガンバリマス(笑)。
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