嫌気性濾過槽の自作生物濾過では、汚れはタンパク質→アンモニア→亜硝酸→硝酸塩という流れで次第に毒性の低い物質に変わっていきます。そして最終的には硝酸塩が水槽の中にたまっていき、これを日々の水換えで排除する(薄める)、これが通常の濾過システムのサイクルです。 もう一歩先の濾過さらに一歩進んだ濾過方式に嫌気性濾過というものがあります。これは、今まで水換えで排除するしかなかった硝酸塩を「還元濾過」し、窒素として空気中に放出するというもので、ここでは活動に酸素を必要としない嫌気性バクテリア(還元脱窒菌)が活躍します。 嫌気性バクテリアを効率よく繁殖させるために、
などが挙げられます。 仕組み既設の外部濾過器の排水側に分岐ユニットを付けて、わずかな流量を嫌気性濾過槽の方へ分岐させるというオーソドックスな手法をとりました。 バクテリアの餌
なお、注意書きとして「・・・設置は1週間毎に規定量を2〜3回に分けて分けて入れてください(厳守)」とあります。気をつけてください。私は全部入れた後でこの注意書きに気が付きました(;;)。まあ、あまり問題なかったようです。 それでは、嫌気性濾過槽および分岐ユニットの製作方法を説明します。 濾過槽本体の作り方まずは材料ですが、主に塩ビ管を使います。塩ビ管のメリットは、比較的安価で手に入りやすいということと、好きなサイズを選べるということです。下の写真で左上から、
塩ビ管の太さと長さは、中に入れたい濾材の量によりますが、今回は60cm水槽に使うとして径5cm、長さ55cmとしました。このサイズで、デニボール8個とシポラックス1リットルがぴったり収まります。 給水、排水ホースにはエアチューブを使います。濾過槽とエアチューブをつなぐ部分には、市販のエアチューブ接続用のプラスチックのパイプを用います。
工夫点
分岐ユニットの作り方分岐ユニットの役目は、嫌気性濾過槽へわずかな流量を流すことにあります。そこで、まずはエーハイムのパイプと一方向弁(エアーポンプのエアー量を調節する部品)を組み合わせてみました。
指先で触ってみて、少し湿っているなという程度の水漏れでしたが、家を留守にするときなどは不安。この案は失敗でした。
設置
うまく嫌気性濾過できますように・・・嫌気性濾過が働き始めると、3ヶ月に1回程度水換えをするだけで、硝酸塩を低濃度に抑えておけるといいます。しかし、なかなかうまくいかないことも多く、かえって水質を悪化させてしまうことも多々あるらしいのが嫌気性濾過の怖いところ。安全のため、設置後はこまめな水質チェックをしなければなりません。 水換えの手間を省き、楽をするために設置したはずの嫌気性濾過槽が、一方で、こまめに水質検査をしたほうがいいなんて・・・面倒くさっ! 設置後の状況について、こちらで報告しています。 ⇒ 「嫌気性濾過経過レポート」
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