こっそり水換え

 水換えは、水槽に水換えポンプを突っ込んだり新しい水を注ぎ込んだり、何かと騒がしい作業です。臆病な魚だと水換えの度にパニックを起こして暴れだしてしまうこともしばしば。特に繁殖期などは、できる限り余計な刺激は与えたくないものです。
 魚にバレないように水換えを行う方法を工夫したので紹介します。

いつもと違った刺激を与えないためには

 水換え時に、魚にいつもと違う刺激を与えないためには、次の点がポイントと考えました。

  • 普段と違う場所から水を抜かない。

  • 普段と違う場所から水を入れない。

  • 水質・水温のかけ離れた水を使わない。

  • 水換え中に水深を変化させない。

 普段水が出ていく場所は、濾過器の吸込口です。そして、普段水が入ってくる場所は、濾過器の排水口です。これをそのまま水換えの時にも使えないだろうか。
 また、急に新しい水が入ってくると魚も驚くと思うので、水槽に注ぎ込まれる時点である程度古い水とブレンドされていることがより良いと考えました。
 さらに、水換え中にまったく水深を変化させないためには、水を吸い出しながら、同時に同じ量の水を入れなければなりません。

 これらを実現できるのが、次に説明する水換えポリタンクです!

※使用には外部濾過器が必要です。また、その外部濾過器にダブルタップが取り付けられていることが必要です。

ダブルタップ →
両サイドのコックをひねって水を止め、中央のネジをはずしてホースを分割することができる。

水換えポリタンクの作成

用意するもの

  1. ポリタンク(私は20Lタイプを使いました。抗菌仕様でないものを選んでください。)

  2. ダブルタップ(外部濾過器につけてあるものと同じものを1セット)

  3. パイプ(長さ10cm。2本)

  4. ホース(ポリタンクの深さと同程度のものを2本。長めのもの2本。計4本)

  5. ポリタンク用のフタを1つ(ポリタンクには普通2箇所にフタがありますが、私が購入したポリタンクは、片方が灯油を注ぐための蛇腹パイプになっていました。これは使えないので、別売りのフタを1つ購入しました。)

作成方法

  1. ポリタンクのフタに穴を開けてパイプを通し、シリコン系の接着剤 ポリエチレン用の接着剤で頑丈に固定してください。同じものを2つ作ります。(図−1)
    (注)使っているうちに接着剤が剥げてくるトラブルが発生!やはり、きちんと専用のものを使うべきでした。ホームセンターにポリエチレン用の接着剤が売っています。
    (追記)接着剤ではなく、ネジ付きエンビ管でフタの両側からしっかり固定するのが最も良いようです。間にはゴムパッキンをはさみます。アドバイスありがとうございました!

  2. 接着剤が乾いたら、ホースとダブルタップを接続します。(図−2)

  3. ポリタンクにつければ完成です。(図−3)

図−1

パイプが通るギリギリの大きさの穴を開け、パイプを差込んで、両側からポリエチレン用の接着剤で頑丈にに固定する。(※接着剤でなくネジ付きエンビ管のほうがよい)

図−2
図−3

使い方

  1. ポリタンクにはあらかじめ水道水を満たして、できれば日当たりなど置いて塩素を抜いておきます。ここで重要なことは、水をあまり入れすぎず、ポリタンク上部には10cm程度の空気の層を設けておくことです。理由は後述します。
    ポリタンクのフタはキッチリと閉めるよう注意します。

  1. 外部濾過器の電源を切り、排水側のダブルタップを閉めて水を止め、水換えポリダンクが排水経路に挿入されるようにつなぎ換えます。(右図参照)

  2. ダブルタップを開いて電源を入れると、外部濾過器からの排水がポリタンクの中に入っていき、中の新しい水と混ざり合いながら水槽に注水されていきます。

  1. TVでも見ながらしばらく待っていれば、水槽の中の水とポリタンクの中の水が完全に混ざり合います(水換え完了!)。濾過器と水換えポリタンクの両方のダブルタップを閉め、元通りつなぎ換えれば一件落着。
    ポリタンクの中の水は捨てて新しい水を入れておき、次回の水換えに備えましょう。

注)バクテリア保護の観点から外部濾過器内部の水質の急変を避けたいため、水換えポリタンクを排水経路に挿入することとしましたが、ポリタンク内が正圧力となるため水漏れの危険性は高くなります。十分に汲み置きした水を用いて、給水経路に挿入したほうがベターかも。

使用感

 魚に気づかれずに水換えを行うことができ、大成功でした。
 そしてなにより、めちゃくちゃ楽チンです。1回あたりの水換え量は少ないものの、これならばこまめな水換えも面倒ではありません。

 欠点としては、どのくらいの時間つないでおけば水が完全に混ざり合うのか、判断が付きにくいという点があります。
 だからといって、長時間ポリタンクをつけたままにしておくとダメ。なぜならポリタンクは密閉力が弱いので、水圧(排水経路に挿入すると正圧力になる)でフタの隙間から徐々に空気が抜けてしまうことがあります。それに伴って少しずつ中の水位が上がっていき、いずれは水がもれ出す危険性があるのです(フタをギュッと閉めればそれほど心配はいらないのですが念のためです)。ポリタンクにあらかじめ空気の層を設けておいたのは以上の理由によります。


こっそり水換え中!(^^)

 水中のゴミを吸いだすことはできないので、適宜、通常の水換えも必要と思いますが、あまりにも楽な水換え方法なので、今後はこれがメインになりそうです。

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