イモリとサンショウウオの違い

成体の見分け方

 イモリとサンショウウオは同じ両生類で大きさや体型も似ていますが、見分け方は案外簡単です。

  イモリ サンショウウオ
お腹の色 赤い 赤くない
ザラザラ ツヤツヤ
住みか 水中(幼体は陸地) 陸地

 イモリは「アカハライモリ」とも呼ばれるように、お腹が赤いという決定的な特徴があります。サンショウウオのお腹は赤くありません。

 また、イモリの肌は細かいイボに覆われていて、ザラついた感じに見えます。サンショウウオの肌は、ツヤツヤしています。


イモリのお腹

 住みかも違います。
 サンショウウオの成体は繁殖期以外は陸地に住んでいますが、イモリの成体は沼や池、流れのゆるい水路など水中に住んでいます。
 ただし、イモリは幼体のうちは陸地に住んでいます(変態後、数年程度は陸上生活を送り、性成熟後に再び水中生活に戻る)。イモリ幼体も皮膚がザラザラした感じで、サンショウウオとは一見して異なります。

幼生の見分け方

 幼生はお腹が赤くないので、ちょっとだけ見分けは難しくなります。

  イモリ サンショウウオ
側線器 目立つ 目立たない
顔つき アイライン -
住みか 止水、ゆるやかな流水 止水、流水

 次の写真において、上段はクロサンショウウオの幼生、下段はイモリの幼生です。


クロサンショウウオの幼生

イモリの幼生:撮影者 西崎様(写真提供ありがとうございました!)

 下段写真のイモリの幼生は、胴体に小さなツブツブが一列に並んでいることが分かると思います。これは側線器そくせんきと呼ばれる体表の感覚器で、水流や水圧の変化を感じ取る役目があるそうです。イモリの幼生はこの側線器が目立つことに特徴があります。ものの本によるとサンショウウオの幼生にも同じ器官があるらしいのですが、ぱっと見てもどれがそうなのかよく分かりません。

 あと、成長段階によって程度の差はあれ、顔つきもかなり違います。イモリの幼生は目頭〜目じり方向に黒いアイラインのような帯があって、サンショウウオよりキリっとした印象です。

卵の見分け方

  イモリ サンショウウオ
球状の卵を一粒ずつ産む たくさんの卵がはいった卵のうを産む
産む場所 止水、ゆるやかな流水 止水、流水

 イモリは卵を一粒ずつ水草などに産み付けますが、サンショウウオはたくさんの卵が入ったかたまり(卵のう)を産みます。

 「ある日、水槽の中に入れた覚えのないサンショウウオみたいな生き物が泳いでいた!」という話がたまに聞かれますが、これはお店で買った水草にイモリの卵がくっついていて、それが水槽の中でふ化した例が多いようです。(水草ファームに侵入したイモリが卵を産みつけ、その水草が出荷される。)


イモリの卵。直径5mmくらい。

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