2000年12月

2000.12.14 ワニガメの飼育規制について
2000.12.15 恐れていたヒータートラブル
2000.12.23 ワニガメと動物愛護法
2000.12.25 アニファ2月号が届いた
2000.12.26 平成12年12月26日県報告示
2000.12.31 2000年の出来事

2000.12.14 ワニガメの飼育規制について

 動物愛護法の平成12年12月1日改正によりカミツキガメ科のカメがワニやトラなどと同じく”人の生命、身体及び財産に害を加えるおそれのある動物”に指定されたことに伴い、私の住む新潟県では「新潟県動物の愛護及び管理に関する条令」により具体的な飼育設備の条件が定められる予定です。
 条令の施行前、その内容について市に電話で問い合わせてみたところ次のようなことがわかりました(条令施行後、誤りであると判明した個所について訂正線及びカッコ書きにより修正)。

飼育設備の必須条件

  • 飼育設備は強化ガラスまたは強化プラスチック製の水槽)であること。

  • フタがあったほうが良い。

 「え、それだけで良いんですか?」と聞き返してしまいましたが、考えてみると池での飼育はアウトですし、衣装ケースなどの安価な代用品も使えないことになります。コンクリート製のタタキ池でもだめなの?普通に売っている水槽は強化ガラスなの?アクリルって強化プラスチックなの?そもそも水槽の定義って何?等々こまかな疑問点もありますが、いずれにしても上記の内容はワニガメが小さいうちはまだ現実的ですが、大きくなったら特注の水槽を作らなければならないことになります。ムムム・・・。

 そして、

  • 飼育の許可を得るには2万5000円の経費がかかります。

 アイタッ、イタタタタタ、これは思ったよりずっと高い!これだけのお金を払い、必要書類に記入し、市職員の立会い検査に合格してようやく飼育の許可が下りることになります。私の脳裏を一瞬「このまま隠れて飼い続けよう」という考えがよぎりました。ちなみに、このことを聞いた直後の電話口で、

担当職員「ところで、お宅ではもう飼われているんですか?
私「いいえ、これから飼ってみようかなと思いまして。

という会話がなされましたが、そんな私を責めることはできないでしょう(^^;。私はさらに「つかぬことをお伺いいたしますが・・・」と続けて、罰則規定はあるのか聞いてみました(^^;。違反した場合は5万円以下の罰金6ヶ月以下の懲役又は20万円以下の罰金)を支払わなければならないそうです。最後に担当職員から「飼育するなら必ず申請してください」と念を押されましたが、金額の問題ではなく、隠れて飼うのは精神衛生上良くないので、許可申請するつもりです。

それでも飼う人

 今後も原産地での乱獲による個体数の減少から値上がりが予想されるワニガメですが、加えて高額の申請費用を払わなくてはならなくなりました。それでも飼いたいという人は、ただの金持ちは別として、きっとワニガメを捨てたりせずに大切にしてくれることでしょう。

私の場合

 もしも私がワニガメを買った当時、すでにこの条令があったとしたらどうでしょう。私は許可申請費2万5000円を払ってでもワニガメ飼育を始めていたに違いありません。それほどワニガメが欲しかったのです。いや、やっぱりあきらめていたかもしれない。うん、きっとやめてたかな?(^^;・・・ということは、現在の私が”ワニガメを飼育する喜び”を得ることができるのは、当時この条例がなかったおかげなわけです。ありがとう!・・・っていうかこんな条令やめてほしい。あぁ、申請費用高すぎるよー!欲しいものがいろいろ買えちゃうよ・・・。

2000.12.15 恐れていたヒータートラブル

 すっかり寒くなり、雪がちらつく日も珍しくなくなりました。アクアリストのこの時期毎年の心配事はヒーターの故障です。メーカーはヒーターの寿命は約1年と言っていますが、実際には一年以上持つことが多いので、ついつい交換が先伸ばしになってしまうものです。そこで安全のためひとつの水槽に2本ヒーターを入れて、万が一片方が壊れても何とかなるようにしておくという対策がよく行われます。
 私も以前はそのようにしていたのですが、春先に引越しをしてから、1本しかセットしていませんでした。やがて秋になり、冬がきて、いいかげんヒータを全部買い換え&複数設置しないといけないなと思っていた矢先に・・・!

餌を食べない!?

 昨晩の11時過ぎ、ポリプテルスに餌を与えてから布団にもぐりこみました。布団の中で息を潜め、魚たちが餌を食べる姿をながめるのです。我が家のポリプテルスはとても臆病に育ってしまい、飼い主の私が水槽を覗き込んでもパニックを起こして暴れるという、憎たらしい(^^;性分があります。それで、餌を水槽に放り込んだあとは、こうして少し離れたところから静かに見守るのが常。ところが、この日はしばらくまっても餌を食べにくる気配がありません。
 ん?いつもと違うぞ、これはおかしい!ということになったわけです。布団から飛び起きました。

水温が17℃

 ヒーターのことがずっと気がかりだったこともあり、まず目がいったのが水温計。ビンゴです!いつもなら24℃はある水温が、17℃まで落ちていました。見ると3匹のポリプテルスは水槽の隅にじっとかたまり、非常〜にゆっくり呼吸しています。そして私が水槽を覗き込んでいるのに暴れようともしません。体が冷えて動けないのでしょうか。

あった!

 のんびりしてはいられません。アクア用品の山の中を掻き分け、ようやく予備のヒーターを2本見つけました。やったー!もしもこれがなかったら大変でした。ヒーターを2本ともセットし、また、急激な水温上昇にならないように気をつけながらペットボトルでお湯を足して、ようやく水温を1℃上げたとき、ポリ達が少し泳ぎ始めました。このときすでに時計の針は夜中の1時近く。しかし水温がせめて20℃を超えるまでは心配で眠れるわけもありません、と思いつつ眠すぎて寝てしまいました
 翌朝水温は正常に戻っており、ポリ達も何もなかったかのような様子。よかった。

 同じ過ちを繰り返さぬよう、明日にでもヒーターの全交換と複数設置をしなければ・・・。

2000.12.23 ワニガメと動物愛護法


16.0cm,1030.0g

 今年最後になって、ついに1kgを超えました。ところがワニガメは身体測定の直後、突然死んでしまったのです・・・。

 ワニガメにとって2000年のもっとも大きな出来事は、人に危害を加える恐れがある生き物として法律で定められたということです。これまでもマスコミの過剰な報道、例えば棒でつついて怯えさせ、まさに”窮鼠猫を噛む”状況に追い込んでから大根に噛み付かせたりする不愉快なパフォーマンスのため、世間から危険なカメとして認識されてきましたが、さらに国が太鼓判を押した形となりました。確かに、私もこれまで飼育してきた中でワニガメを「怖い」と思ったことがありました。興味半分程度で飼ってよいカメとは思いません。

 この法律では飼い犬以外の犬科の動物は危険な動物に含まれるので、あのかわいいフェネックは今後飼育には許可がいるようになります。一方、カバは危険な動物に含まれず、何の許可もなく飼えます(2000.12.26 動物愛護法の施行令を確認したところカバは危険な動物に含まれていました。間違いですスミマセン)。
 矛盾だらけの改正動物愛護法ですが、このような法律を作らなければならないのは、無責任な飼育者や非人道的な人間がいるからです。多くの善良な飼育者にとっては面倒な決まり事ができるのは大迷惑だし、法律を作ったからといって簡単に事態が改善されるわけではないでしょうが、少なくとも私自身は飼育者としての責任を新たに肝に命じました。
 申請費用が高いからといって、死んでしまったとウソをつき隠れて飼い続けるなど言語道断!

 と・い・う・わ・け・で、冒頭の”死んだ”というのは大ウソ(^^;;;。すみません、やっぱり正直に申請します(ワニガメよ、縁起でもない事言ってごめん。来年も一緒に元気でいこう!)。

2000.12.25 アニファ2月号が届いた

 「雑誌でサンショウウオの特集を予定しており、ついてはクロサンショウウオの写真を提供してほしい」とのメールをいただいたのが10月始めでした。その雑誌とは、なんと、皆さんご存知「我が家の動物マガジン アニファ」。あのかわいいペットの情報満載の月刊誌です。
 以前からときどき(^^;読んでいたこともあり、もしも我が家のクロサンショウウオ達が載ったらすごいうれしいと思い、ちょうどその頃デジカメが故障していたため使い捨てカメラで撮った数枚の写真を送ったのでした。

載った(^^)

 本日夕方、郵便受けを見ると大きめの封筒が。カタログ本の入ったダイレクトメールだと思ったのですが、よく見ると封筒に「贈呈」そして「アニファ」の文字が!「あっ、ついに出たんだ!一冊送ってくれたんだ!」もう大騒ぎです。興奮の手つきでページをめくり、やっと見つけました「面白サンショウウオ学」というタイトルで白黒見開きのコーナー(P84,85、目次では「面白オオサンショウウオ学」となっているのはご愛嬌(^^;;)。そこには我が家のクロサンショウウオ達の写真がでかでか3枚も・・・。喜びのかたまりが胸の奥からこみ上げてきた。うれしいクリスマスプレゼントになりました。

記事の感想

 面白サンショウウオ学は「環境スペシャル 日本の絶滅危惧動物」というシリーズの第23話にあたります。なかなか興味深く意義深いシリーズだと思いますが、今回の内容については若干誤解を呼ぶような個所があるので注意が必要です。

  1. サンショウウオは清流を好みます
     清流を好むサンショウウオはそう多くないので、これは誤解です。きっと誤解の原因は有名なオオサンショウウオが流れのある水中(これとて清流オンリーというわけではありません)に住んでいるからでしょう!?日本産のサンショウウオの成体は、ほとんど陸地で生活しています。渓流はおろか水中で生活する種類は少ないのです。卵を産むときは水に入りますが、日本産の半分以上の種類は渓流には産まず池や沼などの流れのない水場に産みます。

  2. 名前の由来
     すべての日本産のサンショウウオが匂いのする液体を出すかのような書き方がされていました。これはまずいです。山椒の匂いかどうかはともかく、皮膚から乳白色の液体を分泌するのはオオサンショウウオのことでしょう?これもやはりオオサンショウウオがずば抜けて有名だからこそ生まれた誤解のひとつだと思います。
     また英名を”サラマンダー”としていますが、確かに辞典などではサラマンダーをサンショウウオと訳していますが、どちらかというとサラマンダー=イモリといわれています。なぜならば日本産のサンショウウオは有尾類では珍しく体外受精。イモリは体内受精。そして外国産のサラマンダーと呼ばれるものも体内受精。厳密に言うとサラマンダー=イモリというのが適切なようです。

  3. 脱皮殻を食べる
     これも、オオサンショウウオだけなのでは?少なくともクロサンショウウオは食べずに脱ぎ捨てますが・・・。他のサンショウウオはどうなのでしょう。
     個人的に今回の記事の中でもっとも衝撃を受けたのは次のくだりです。
    「(前略)人間でも爪を食べてしまう人や、足裏の皮を食べてしまう人の話がありますが(後略)」
     ・・・爪ならまだわかりますが、足裏の皮ってマジっすか!?ホントにそんな人いるの?もしかして何かの誤植?それともこのライターさんのまわりにはそういう人が?おそるべし、アニファ・・・(^^;;。

  4. LOVEサイン
     この段落ではサンショウウオの生殖の様子が書かれていますが、この部分が一番まずい。精包による体内受精の様子を詳しく記述してありなかなか興味深いのですが、上でも書いたとおり、体内受精をするのはイモリです。少なくとも記事は日本産のサンショウウオについて書いているわけですから、読者は日本のサンショウウオが精包を使って受精すると勘違いしてしまいますよ。もう一度言いますが、日本産のサンショウウオはすべて体外受精です。

 詳しくはアニファ2月号を買って(^^;読み比べてね。やはりサンショウウオはマイナーなペットであり、おそらくライターさんも専門家ではないのでしょう。業界最大手のこの雑誌、賛否両論あるようですが、私は掛け値なしにかわいいペットの写真が見れるだけでも価値があると思います。これからも期待しています。たまには買います(^^;;。

ミナミヌマエビ

 ミナミヌマエビ10匹380円で売っていたので水草水槽に投入しました。でも明らかにミナミヌマエビじゃない不気味なのが1匹混ざってたんですけど・・・(^^;;。これはスジエビ?ミナミヌマエビは水槽内でも容易に繁殖が楽しめるそうなので期待しています。

 水草水槽のトニナはいったんは珪藻でコケコケになったのですが、少しずつに元気になってきた感じ。また、抱卵しているビーシュリンプを発見しました。底砂を入れ替えるという、わりと大幅なリセットから2ヶ月近く経ち、そろそろ環境が安定してきたってこと?実は最近、トニナのコケ防止対策に性懲りもなく禁断の木酢液をまた添加し始めたのですが、これが効いているのかもしれません。

2000.12.26 平成12年12月26日県報告示

 新潟県報(12月26日告示)により、「新潟県動物の愛護及び管理に関する条令」及び「同施行規則」の全容が明らかとなりました。
 県庁生活衛生課において即日入手し内容を確認したところ、前回、市に電話で問い合わせた内容に若干誤りがあったことがわかりました。正しい飼育設備の基準は、おおよそ以下のとおりです。

飼育施設

  1. ガラス槽またはプラスチック槽で、ガラス槽は強化ガラス、合わせガラス又は網入りガラス、プラスチックは強化プラスチックであること(=それに相当する強度を持った材質という解釈で良いそうです)。

  2. ワニガメの大きさ、体力、習性に応じた十分な強度及び飼育数に応じた適切な広さがあること。

  3. 脱出を防止できる構造であること。

  4. ワニガメの健康や安全に留意した休憩設備を設けなければならない。

設置場所

  1. 人が多数集まるところや、道路に面する場所に置いてはダメ。

  2. 出入り口にはカギが2個以上設けられていること。

 水槽のフタに1個カギをつければ、もうひとつのカギは家の玄関のカギで合わせて2個ということになるでしょう。

備考

  1. ワニガメの大きさ、体力等により、知事が安全上支障がないと認めたときは、その基準の一部を緩和し、又は適用しないことができる。

 バンザーイ!これは超重要です。常識で考えて危険がないような子ガメであれば、ほぼ間違いなくこの備考が適用されるでしょう。我が家のワニガメは条令の施行時点で約1kgですが、この程度なら安全上支障ないよね!?普通のガラス水槽で飼育許可が下りると信じております(^^;。

 この備考に関してもうひとつ言えることは、たとえ巨大ワニガメでも飼育設備がそのパワーに対して十分に頑丈な、例えば金網のフタのついたコンクリートのタタキ池なんかであれば許可が下りるということです。安全上支障がなければ問題ないのですから。要は、常識で考えて逃げることができない設備であれば何でもOKです。たぶん。

許可申請の手数料

 1匹飼ってもたくさん飼っても、離れた別々の場所でなければ全部合わせて2万5000円です。例えば民間の動物園であれば、その構内全体で2万5000円払えばよいわけです。ホッとした方もいるでしょう(^^。

 ただし申請手数料に関しては朗報ばかりではありません。引っ越した場合にも変更申請をしなければならず、その際は1万6000円かかります。私など転勤が多いので、かなりきびしいです。引越しの都度プラス1万6000円の出費が付きまとう・・・トホホ。ワニガメをおいて単身赴任すればよいわけですが(;;)。

注)他の都道府県では許可条件が異なる場合があります。

(新潟県の問い合わせ先:県庁生活衛生課乳肉衛生係 TEL025-280-5206)

2000.12.31 2000年の出来事

 古い出来事メモを読み返すと当時のことを良く思い出します。今年も1年ろくな事がなかった、じゃなくて(^^;、生き物の飼育を通じてたくさんの貴重な思い出ができました。それを書き残してきたこのホームページは、私の宝物ともいえます。


現在の水槽群

 さて、年が明けると21世紀。野望はマイホームを建てることです。水道施設を完備した「水槽部屋」兼「居間」を作る(単独の水槽部屋にはしたくない。水槽はなるべくそばに置いておく)ことはもちろん、趣味におもいきりこだわった家にしたい。
 HPでは水辺の生き物の事ばかり書いていますが、陸の生き物も大好きです。家を建てたら、また猫を飼いたいと思っています。あっ、何だかこれを書いていたらワクワクしてきた(^^)。うおおおお!(←やったるゾーの気持ちが思わず声に出た。)

 でも現実は頭金の1/9しか貯金がないのです・・・。

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