2001年

2001. 3.21 雪深し・・・

2001. 3.21 雪深し・・・

 お腹がぱんぱんに膨らんで、今や産卵も時間の問題・・・だったら良いのですが、全然ダメです(^^;。本当に抱卵しているのかも疑わしくなってきました。やはり実際に抱卵個体を観察し、我が家のクロサンショウウオとどう違うのか見極める必要があります。そこで昨日、フィールドに観察に行ってきました!

いざ出発

 今年は大雪に見舞われた新潟でしたが、ようやく春らしくなりました。山間部でもそこそこ雪解けが進んでいることでしょう。以前、雪解けの真っ最中にクロサンショウウオの卵のうを見つけたことがあったので、今年もそろそろ産卵の時期に入っているかもしれません。さっそく、我が家のクロサンショウウオ達のふるさと目指し、高速を1時間飛ばしました。

ふもとに到着

 日中気温は15℃を超えていると思いますが、さすがに日本有数の豪雪地。山の中はまだまだ雪がありました。積雪深はおよそ1mほど。でも水面は凍っていませんし、このくらいならけっこう産卵しているもんです(たぶん(^^;)。

 目指す繁殖池は、ここよりもう少し登ったところ。はたして、どうでしょうか?期待しながら進みました。やがて、目の前に広がった光景は!

こ、これは!

 ・・・繁殖池は、1/4ほどがまだ雪に埋まっており、水面の大部分にシャーベット状の雪が浮かんでいるではありませんか!さすがにこれでは産卵などしているわけもありません。残念。

<繁殖池データ>
 水温・・・0℃
 pH・・・6.0

 繁殖池のpHが弱酸性だということがわかったのは、大きな収穫でした。池の山側の斜面は猫の額ほどのスギ林になっており、池の中にはスギの枯れ枝や落ち葉などがたくさん落ちていました。これらが腐食して弱酸性になったのか、それとも、もしや流れ込む雪解け水が酸性(酸性雨)!?積雪のpHを測らなかったことが悔やまれる。


繁殖池は静かに春を待つ

成体探し

 実際、積雪が解けきらないうちから産卵は行われるわけですが、成体が雪の中を産卵池まで移動してくるとは考えにくいため、雪に閉ざされるより前(前年の秋)に近くまで集まって来ている可能性が高いそうです。見つけるのは難しいとは思いながらも、ちょっと探してみました。

1.水中

 水面を覆うシャーベット状の雪をかき分け、木の枝で水底を引っ掻いてみました。産卵に備え、すでに水中に入っていて、落ち葉の下などにひっそりと隠れていないかと期待したのですが、何も見つかりませんでした。

 サンショウウオどころか生き物の気配すらありませんでした。池の中は、まだまだ冬まっさかりといったところです。

2.斜面

 普段サンショウウオが生息している可能性が高いとふんでいるのが、池のすぐ上に続く斜面のスギ林でした。ここの雪を掘り起こして大々的に探せばきっと見つかると思うのですが、何も準備していなかったので、積雪のないスギの根元をささやかに探してみることに。

 しかし当然というか、落ち葉をどけてちょっと手で掘ったくらいでは、さすがに見つかりませんでした。この積雪ですから、まだ地中のわりと深いところに隠れているのでしょう。冬眠中を邪魔しないですみました(^^;。

軌道修正

 さて、今回の野外観察で得た成果により、我が家の飼育スタイルを見直す必要がでてきました。

 繁殖池のpHは6.0でしたが、帰宅して我が家のクロサンショウウオ水槽のpHを測ると7.0でした。pHは対数なので、”1”違うということは”10倍”も違うということです。もっとも現地がそうであったからといって、そのpHがクロサンショウウオに最も適しているということにはなりませんが、こと産卵の誘発となると話は別。なるべく現地に近づけるのが間違いありません。

 では、どうやって水槽のpHを下げるかというと・・・実は、そんなこともあろうかと思い、現地でスギの枯れ枝を何本か拾ってきたのです(^^)。これを水槽に放り込んでおけば腐食酸等が染み出し、やがてpHが下がるでしょう(ピートの併用も考えています)。同時に、この枯れ枝は産卵のときに卵のうをくっ付ける産卵床にもなります。


スギの枯れ枝を入れた。現地と同じだ!(自己満足度80%)

 さてこの度の野外観察では、残念ながら目的だった抱卵個体を見ることはできなかったわけですが、早春の山の中は気持ちよかったです。でもこの季節、スギ林に長時間いるとどうなるかというと・・・。をー!目がかゆーい!!(うう、今年は特にひど・・・ハックション!!)

←前のページへ
次のページへ→
サンショウウオURL : http://xto.be/ご質問等ありましたら掲示板にお願いします。
※完全リンクフリーです。ご自由にどうぞ。