インターネットで調べたサンショウウオ(成体)の標準的な給餌方法はじめに 近年インターネットが広く普及し、さまざまな分野の多岐に渡る情報やおっぱいの写真などをパソコンを用いて容易に入手できるようになった。サンショウウオについても、これまで専門誌を読むか専門店で教えてもらうしかなかった飼育のノウハウを、インターネットで調べることができるようになった。 本論では、サンショウウオ(成体)の標準的な給餌方法(餌の与え方)を見つけることを目的として、インターネット上に公開されている情報を収集・分析した結果について述べる。 調査方法給餌方法を「餌の種類」「給餌頻度」「給餌量」の3項目に分けて調査した。より多くのWEBサイトが紹介している内容を、より標準度が高いと評価した。例えば、餌の種類としてコオロギが7箇所のWEBサイトで紹介されていたらコオロギは7点、ミミズが5箇所のWEBサイトで紹介されていたらミミズは5点となる。この場合、点数の高いコオロギが、ミミズより標準的な餌である。 調査対象は次の条件を満たすWEBサイトとし、ネットサーフィン及び検索エンジンを利用して多くのWEBサイトからの情報収集に努めた(表1)。
2)タイムスタンプは調査時点におけるURLに示したWEBページのタイムスタンプであり、実際に調査した個々のコンテンツが含まれるWEBページのタイムスタンプではない。また、「不明」は、タイムスタンプが正常に取得できなかったものであるが、調査時点は2006/10/22 10:19である。 なお、本調査における標準度の高さは、優劣の程度を表すものではないということを念のため申し添える。標準的とは、一般的あるいは並、普通であることを意味し、その優劣については、飼い主の生活環境等に応じて様々に定まる。 餌の種類 餌の種類については、今回調査した10サイト全てで紹介されていた。
集計結果餌の種類の集計結果は、次のとおりであった。 図1 餌の種類.横軸はその餌を紹介しているサイト数.もっとも標準的な餌は、10サイト中から8点を集めたワラジムシ類であった。コオロギ類と冷凍飼料類が7点でそれに続いた(写真1,2,3)。
餌の種類数は、全部で32種類であった。これは、前述のとおり、同様の種類をひとくくりにして集計したものであるから、内訳を考慮すると合計65種類を数える。
主食について特に主食として特定の餌を紹介していたのは、10サイト中、6サイトであった。主食の集計結果を図3に示す。
冷凍アカムシとブドウムシが共に2点でトップであった。餌の種類として最も多くのWEBサイトで紹介されていたワラジムシは、主食としては、1サイトからの紹介に止まった。
給餌頻度 給餌頻度については、10サイト中、5サイトで紹介されていた。1週間あたりに換算した給餌回数を、図6に示す。「週に1〜2回」のように幅を持って示してあった場合には、1回及び2回のそれぞれに1点を加算する集計方法とした。 図6 1週間あたりの給餌回数.縦軸はその回数を紹介しているサイト数. 給餌量 給餌量については、3サイトからの紹介に止まった。それぞれの内容は、「食べなくなるまで」(山椒魚)、「餌への反応が鈍る程度」(かわいい☆クロサンショウウオ)、「個体の大きさや季節により変動する。基本的には満腹すると興味を示さなくなる」(Dr. GRUMMAN's HERPETARIUM)であった。 結論今回の調査の結果、サンショウウオ(成体)の給餌方法に関するインターネット上での標準は、 (1)冷凍アカムシ・ブドウムシをメインに、ワラジムシ・コオロギ等様々な種類の餌を、 (2)週に2回、 (3)食べるだけ与える。 というものであることが分かった。また、慣れない文章を書き上げるのは大変苦労するということも分かった。 今回の調査結果は、これからのサンショウウオ飼育にひとつの指針を与えると思われる。ただし、標準的な飼育方法は常に改善され、変化していくものである。インターネットには、本などの印刷物に比べて情報の更新が行いやすいという利点がある。今後、さらに優れた飼育方法が多くのWEBサイトで紹介され、より良い標準が確立されていくことが期待される。 最後に、サンショウウオの飼育について大変有益な情報を発信している、本調査の対象であるWEBサイト作者の皆様に、深い感謝の念を表しておきたい。
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