サンショウウオ黒焼きの作り方

 黒焼き(燻製)の犠牲者が一番多かったのはハコネサンショウウオでした。ハコネサンショウウオは産卵時期にはいっせいに沢に集まってきます。そこを一網打尽。
 戦前は、それぞれの村ごとに、1シーズン少なくて2〜3万匹、多いときは10倍の20〜30万匹も捕獲されていたそうです。

 檜枝岐のハコネサンショウウオ漁は、産卵期である5月末から6月にかけて行われます。
 漁には「ズ」と呼ばれるワナ(竹を編んで作る。ドウ、ムジリともいう)が使われるそうです。これを滝に仕掛けると、産卵のため上流に向かって移動中のハコネサンショウウオが、滝を上り損ねてズの中に落ちるという仕掛け。
 ひとつのズで、一晩に平均10匹程度、多いときで30匹ほど捕れるそうです。

 下流に仕掛けたズから順に捕れていき、最上流のズにメスが入ると、そこで漁は終わり。それはいよいよ産卵の最盛期に入ることを意味するので、捕りすぎを避けるためです。また、漁をする沢自体も数年おきに休みを入れて、ハコネサンショウウオの漁と保全の両立が図られています。


http://www.aizu-furusato.com/より

調理方法

 さて、あわれ捕まってしまったサンショウウオ、

  1. 塩水を張った桶に入れて・・・(合掌)。

  2. 十数匹づつ竹串に通す。

  3. 小屋の中で枯れ木を焚いていぶす。

  4. 一昼夜いぶして竹串からはずす。

  5. ヨモギの中に入れて、わずかに水に浸し、柔らかく仕上げる。

 サンショウウオをまったく良く知らない人が聞けば、旬の食材を燻製にしたハーブの香り薫る上等な料理に聞こえるかもしれません。機会があったら、勉強のため食べてみたいと思います。

その他の料理情報

  • 檜枝岐村の旅館では、サンショウウオを唐揚げ、天ぷら、塩焼き等にして出すそうです。(食べてきました

  • 栃木県湯西川温泉郷には、味噌だれでじっくり焼き上げたサンショウウオの串焼き料理があるそうです。

 余談ですが、イモリの丸焼きを食べたことがあります。皮一枚でつつまれたお腹には内臓がぎっしり詰まっていて、子持シシャモを連想しました。苦味や臭みはまったくなく、おいしかったです(当時は涙目で大騒ぎしながら食べましたが:笑)。

食べられるサンショウウオ

 サンショウウオがたくさん住んでいる幸せな地方では、アロワナなどの大型肉食魚の餌としてサンショウウオを与えている人もいるそうです。でも、これはけっこう良い餌かも。何といっても、サンショウウオはその生命力の強さからか古くから精力剤として知られています。
 根性入ったじいちゃんがサンショウウオを捕まえては、そのまま丸呑みしているのをテレビで見て驚いたことがありますが、このようなおどり食いは古くから日本各地で行われてきたようです。

サンショウウオの薬効成分

 サンショウウオは精力剤としてだけでなく、特に子供の疳の虫(男子にはオス、女子にはメスを用いる)に効くとして古くから珍重されてきました。その他にも、肺病・腹痛・寝小便・冷え性・痰・喘息・疲労回復・酒の肴(^^;などに用いられてきたそうです。

参考文献・・・イモリと山椒魚の博物誌(碓井益雄・工作舎)
「山の仕事山の暮らし」高橋信一(つり人社)

本を紹介してくださった職場の先輩、ありがとうございました!

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