1999年8月

1999. 8.14 ワニガメの餌
1999. 8.16 初めて飼うカラフルな魚
1999. 8.20 ワニガメ身体測定
1999. 8.29 大トリミング

1999. 8.14 ワニガメの餌

 カメは甲羅を形成するために、カルシウムとリンが重要です。カルシウムとリンのバランスは1:2程度がもっとも吸収効率が良いといわれていますが、実際にそのバランスを把握することは無理です。そんなとき役に立つのが人工飼料。幸い、カメ専用に、優れた餌がたくさん市販されています。栄養のバランスが十分に考えられている(はず)ので、安心して与え続けることができます。私は、人工飼料を主食・その他の餌(活餌・生餌)をおかずと考え、半々の割合で給餌することにしました。

人工飼料

 カメ用の人工飼料はペットショップやホームセンターなどで普通に見られます。これだけで長期飼育も望めるようです。たくさんの種類が売られているので、ローテーションをくんでいろいろ与えるのが良いでしょう。

 ワニガメは幼体のうちは人工飼料に餌付かせることもたやすいカメといわれています。我が家のワニガメは、家に来てすぐに人工飼料を食べてくれたのでよかったです。きっとショップで人工飼料に慣らされていたのでしょう。

活餌いろいろ

 ルアーリングをして魚をとらえるのがワニガメの醍醐味です。やはり人工飼料ばかりでなく、生きた餌もあげたい。人工飼料ばかり与えているとルアーリングをしなくなるそうですから、ワニガメの生態を観察するためにも重要な餌です。

 今までに与えたことのある活餌は、よく与えた順に、

  • メダカ
  • アメリカザリガニ
  • 小赤(金魚)
  • ドジョウ

「ぱっくん!」

 どれも大好物で、与えれば与えただけ食べてしまうほど。魚を水槽に入れると、即座にルアーリングを始めます。なかなかひっかかりませんが。

 将来的には、錦鯉のはねられたものが良い餌になるのではないかと思います。なんせ川に捨てられるだけですから、ただでもらえそう。養鯉家の知り合いが欲しいところです。

メダカ

 小さいカメには良い餌ですが、大きくなってくると、あまり腹の足しにならないでしょう。逃げ延びたものを水槽に入れっぱなしにしておくと、逃げかたがうまくなってぜんぜん食べられなくなる。たいていのショップで売ってます。30匹500円。

アメリカザリガニ

 4〜5cmくらいの小さなザリガニを与えています。強そうなやつは、ハサミをとってから。いかにもカルシウムが豊富そうです。家のワニガメも大好きですが、殻を割りながら食べるので、水がすぐ汚れてしまいます。また、ザリガニはウエステルマン肺吸虫という寄生虫を持っていることがあるらしいのでちょっと心配。ワニガメには寄生しない寄生虫だと思いたい・・・。人間に寄生すると、肺出血、脳や脊椎に入りこんで麻痺・痙攣などを引き起こす。1匹25円。近所ではあまり売っていない。

 主に待ち伏せ型で捕食するワニガメですが、ザリガニに対しては自ら近づいていって捕食します。ワニガメの捕食シーンの中でも最も迫力のある場面のひとつです。

 ワニガメがじわじわとザリガニに近づいていきました。獲物に気づかれないようにしているような慎重な足取りです。しかし、ザリガニはいち早く危険を感じ取り、すでに臨戦体制。

 いよいよロックオンしました。なるべく獲物を刺激しないように、じわじわと間合いを詰めて行きます。静かにゆ〜っくりと近づいて。

 ザリガニも必死にハサミで威嚇しますが・・・。

 とうとうワニガメの鋭いくちばしが開かれました。口を開くスピードも、非常にゆっくりです。これはヤバイと思ったのか、ザリガニが少しずつ方向を変えながら後ずさりし始めました。あっ、ザリガニが逃げます!しかし、一瞬早く、

 バクッ!!!!

 ・・・あまりの迫力に息を呑む瞬間です。逃げだしたザリガニに、ものすごい勢いでワニガメが襲いかかりました。鋭いくちばしが殻にミシミシッと食い込みます。

 このひと噛みでザリガニの殻は噛み潰され、あとは前足で無造作に引き裂きながら飲み込んでいきます。そんなに無理しなくてもと思うほど、おおきな塊でも飲み込みます。食べている途中で取れてしまった足と頭部の固い部分を食べ残します。合掌。

 人工飼料だけを与えていては、けっして見せない野生の迫力は、私にわずかな恐怖心すら抱かせます。そして、こんな生物を水槽に閉じ込めてしまった人間の罪を思うと共に、いつまでも幸せに飼ってあげたいと、決意を新たにするのでした。

金魚

 与え始めた当時は、メダカと違ってまだ丸呑みにはできなかったので、すごい食べ方になりました。バクッと咥えて前足をひっかけると、あっさり真っ二つに・・・。見ると、新巻鮭を包丁でスッパリと切ったような、きれいな切り口です。頭のあるほうは、一瞬の出来事に状況がつかめないかのごとく、必死に泳ごうとしますが、なにせ下半身がないのでいっこう前に進みません。そうこうしているうちに、つかまって飲みこまれて・・・。ビタミンB1破壊酵素サイアミナーゼを体内に持つのは有名。どのくらいの量サイアミナーゼを含んでいて、どのくらいの害があるのかなど、よくわかりませんが、単食は避けたほうが良いようです。50匹1,000円。たいていのショップで売っています。

 餌金は小さい順に「スミレ」「小赤」「別下」「姉金」というふうに、サイズによって呼び名がかわります。具体的な大きさの決まりはよく知りませんが、たいていのショップでは大きくても小さくてもすべて「小赤」と呼ぶか、せいぜい「小赤」と「姉金」を使い分けている程度です。

ドジョウ

 ショッピングセンターで、食用にグラムいくらで売られているのを買ってきたが、良く見ると、病気になっているものがいる。こんなのを食用に売っているのか・・・ショック。検疫水槽に移し様子をみると、初めからいたメダカもまきこんで病気が蔓延。やむを得ずグリーンFで薬浴をするが、次の日、いっきに半分が死んでしまった。ドジョウは薬に弱いようです。大量の水換えで対処したが、幾日も経たないうちにほぼ全滅してしまった(メダカは大丈夫だった)。ワニガメの口に入ったのは1匹だけ。なにより、たくさんのドジョウをむだに死なせてしまい心が痛んだ。しばらくは買いたくないです。

生餌いろいろ

 活餌と違って、死んでいる生の餌を生餌(なまえさ)と呼ぶことにします。将来的には、経済性を考えると必要性が大きくなると思います。ただし、栄養バランスがとれているとは言いきれないので、バラエティー豊かに与えると共に、人工飼料や栄養添加剤などを併用するつもりです。

獣肉

 大き目のワニガメには、鶏肉やハツ・レバーなどを与えることがあります。カルシウムの豊富な鶏頭も良さそうです。ペットショップで買えるものには冷凍ピンクマウスがあります。栄養バランスが良いらしいので与えたいですが、引き裂きながら食べるのでは水が著しく汚れそうですし正直あまり見たくないので、丸のみにできる大きさに育ってからにしたいです。

魚肉

 いわゆる鮮魚。ルアーリングをして餌を捕らえるワニガメですから、獣肉よりも魚のほうが向いている気がします。ショッピングセンターでいつでも買えるので手ごろな餌。ニジマスやワカサギ、アジなどがよく使われるようです。中でもワカサギは安価で大量に手に入り良いのですが、金魚同様サイアミナーゼを持つので単食はいけません。なお、海産の魚は不適とも思えますが、ワニガメ自体、汽水域にまで棲息域が広がっていることから、それほど問題はないと思います。

与えてはいけない餌

 よく、カメにドッグフードや九官鳥の餌などを与えている話を聞きます。また専門の飼育書にもカメの餌としてそれらが挙げられていることがあります。しかし、最近では、ドッグフードはカメにとって栄養バランスがとれていないことや、脂肪分が多すぎる(カルシウムの吸収も妨げる)ことから、あまり良くない餌のひとつとされています。カメ用の人工飼料が少なかった時代に、やむを得ず与えていたと考えるべきです。現在では、それぞれのペットに適した餌が豊富に売られています。食べるから与えれば良いというわけではありません。

給餌頻度と給餌量

 ワニガメは比較的飢えに強いようで、成体であれば半年の絶食にも耐えるそうです。我が家のワニガメはまだ子供。この時期には頻繁な給餌が必要と思います。私は毎日、朝は人工飼料、夜に活餌というパターンで給餌しています。大きくなったら2〜3日おきくらいにします。

 一般のカメの1日の給餌量は、頭の大きさくらいが目安。私は、頭の1.5倍以上は与えています。ちょっと与えすぎかもしれません。太りすぎは寿命を縮めますし、食べすぎた餌をうまく消化できず体内で腐敗してしまい、死を招くこともあります。水質の悪化にもつながります。今のところは、太り過ぎということもないようですので、このペースでいきたいと思いますが、週に1日くらいは絶食の日を設けて、内臓を休め、フンを出しきらせることも、健康には有効だそうです。ただ、けなげにルアーリングをしている姿を見ると、ついつい餌をあげたくなっちゃうんですよね・・・。

1999. 8.16 初めて飼うカラフルな魚

 15日、水草水槽の貝を減らすために、貝を食べる生物を入れることにしました。迷った挙句、クラウンローチを2匹入れました(1匹980円でした。相場より高かった)。黄色と黒のくっきりとした縞模様がきれいな魚です。良い写真が撮れたら紹介したいと思います。

クラウンローチ

 買ったのは4cmくらいですが、こいつは野生で30cm以上、水槽内飼育でも15cmくらいにはなるという大型のドジョウの仲間。顔や肌はドジョウっぽいですが体型はコイにも似ていて、あまりドジョウには見えません。家の水草水槽は60cmなので、ちょっと魚が大きくなりすぎてつりあいがとれません。しかし、ポリプテルス水槽も日々貝が増殖してきているので、大きくなってポリに食べられない大きさになったらそっちに移そうと考えました。心配なのは、ポリもローチも底を泳ぐ魚なので、お互いのストレスになるのではないかということです。良くないようだったら仕切を設けなくてはいけませんね。

 さて、水あわせの後水草水槽に入れると水草の奥に泳いで行ってしまい、それ以来姿が見えなくなりましたが、水槽を泳ぐクラウンローチは黄色と黒のしましまが水草に映え、想像以上に良い感じでした。ていうか、すっごいかわいいです。


このジャングルのどこかにクラウンローチが・・・いるはず

 そして1日たった今日水槽を覗くと、気のせいだとは思いますが貝がずいぶん減ったような気が(すぐその気になってしまうのが小さい頃からの私の特徴です)。

 あっ、まさにこれを書いているたった今、クラウンローチが水槽の前面に姿をあらわしているではありませんか!!


すかさずパチリ!

 カメラを向けられて、あわてて逃げだすクラウンローチ。よかった、無事生きていたようです。う〜ん、私は地味な魚が好きなはずだったんですがカラフルなのもいいですね・・・ん?こいつも地味な部類に入る??

1999. 8.20 ワニガメ身体測定


6.7cm,81.0g

 前回の計測から25日。甲長で1.12倍になりました。体重で1.35倍。体重の理論値は1.12×1.12×1.12=1.40倍ですから、太りすぎということもありません。

 現在の給餌スタイルを続けて良さそうです。とっても順調です。1回目の計測時の写真と比べると、かなり大きくなってますね。

 右写真は、脱皮した甲羅の写真です。甲羅全体がガバッとはがれるのではなく、1枚ずつ部分的にはがれかけてきました。ちょっとひっぱったらとれました。

1999. 8.29 大トリミング

 パールグラスの密林だった水草水槽でしたが、本日のトリミングで思いきりすっきりさせました。パールグラスは先端をカットすると、次々とわき芽を出してこんもり茂るという特徴があります。何度かトリミングを繰り返すうち次第に根株の方が弱ってくるので、たまにはカットした上部のほうを差し戻して新しい株にする必要があります。

 今回、思いきって前面のパールグラスを全部引っこ抜き新しく植えなおすという、大掛かりなトリミングを行いました。前回の写真と比べるととても同じ水槽とは思えませんね。魚達も泳ぐ場所が広くなって、気持ち良さそうです。
 一方、レイアウトとしては全然ダメ。今後、少しずつ手を加えていき、気に入った水景を作り上げて行くつもりです。いや〜、やっぱり水草水槽を”美しく”維持するのは難しいです。

 中央部のアマゾンソードプラントは、以前「全然成長しない」と言った直後から、一気に成長をはじめ、水面に達するまでの大きさになりました。もっと驚いたのは、右側に写っているアヌビアス・ナナです。パールグラスの陰で、いつのまにかこんなにこんもりとした株になっていました(^^)。

貝を食べる魚

 クラウンローチはやはり活躍しているようです!貝は驚くほど減りました。大きくなりすぎなければ万人にお奨めできるんですけどね。実は最近、新しく貝を食べる魚を発見しました。それは”金魚”です。ポリプテルスには病気の一件から活餌を与えるのは控えていたのですが、ちょっと食欲が落ちているようだったので検疫済みの金魚を与えてみました。すると翌日には、大発生していた貝が目に見えて減っていたのです。貝が金魚に食べられて、金魚がポリに食べられる・・・。水槽の中も弱肉強食です。

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