2001年7月

2001. 7. 9 来年に向けて

2001. 7. 9 来年に向けて

 日曜日、サンショウウオの繁殖地を観察してきました。少しは変態前の幼生が残っていると思いきや、その姿はゼロ。シーズンを逃してしまったようです。ちょっと残念でしたが、さっそく気温と、そして気になる繁殖池の水温を測ってみました。それにしても日差しの暑いこと!

気温・・・28℃
水温・・・21℃

 水温は水深約10cmにて。どうでしょう。ただのたまり水ですから、外気温なみに暖められていると予想したのですが、とんでもない!

 また、pHは7.1で、中性よりわずかにアルカリ性。雪解け前は弱酸性だったのに。

 続いて、日陰の地中の温度を測ってみました。温度計を10cmほど土に差し込んでみると・・・こちらも21℃。こんなに涼しい土の中にサンショウウオの成体は潜んでいるのです。今我が家ではクロサンショウウオのためエアコンをつけっぱなしでも水温25℃。全然配慮が足りていませんでした・・・。

池の生き物、周りの生き物

 少し視点を変えて、繁殖池周辺の自然環境に目を向けてみました。

エゾイトトンボ

 たくさんのイトトンボが産卵にやってきていました。
 上がオス。尻尾の先の肛門で(!)メスの首根っこを掴んでいます。こうして2匹がつながったまま飛んでチョンチョンと尻尾を水に浸け産卵する姿はおなじみでしょう。

マツモムシ

 お腹を上に向けて水面付近を泳いでいます。でも決して素手で捕まえようとしないでください。くちばしが鋭く、思い切り刺されましたことがありました!もんのーすごく痛いです。

アメンボ

 枯葉の上で一休み。足先にびっしりと細かい毛が生えていて、水をはじいて浮くそうです。舐めると飴のように甘い味がするって本当?

マルタニシ

 たくさんのタニシがいました。昔は貴重な蛋白源だったそうですが、今では酒の肴の珍味。以前佃煮を食べたことがありますが、どうも泥臭くて、ちょっと苦手です。

モノアラガイ

 浮いているのはドングリ?いえいえ、これは貝です。それにしても大きかった!小指の先ほどもあるモノアラガイははじめて見ました。本当にモノアラガイ!?

オタマジャクシ

 クロサンショウウオの幼生はいませんでしたが、オタマジャクシは少しいました。この写真をひと目見て、どんなカエルになるかわかる人はすごい!

ツチガエル

 上のオタマジャクシはきっとこの子の子供でしょう。池の周りにたくさん潜んでいて、一歩足を踏み出す度にポチャンポチャンと水中に逃げ込みます。でも、しばらくじっとしていると、もう人がいなくなったと勘違いして、元の場所に上がってくるんです。

アマガエル

 見慣れたカエルですが、皮膚から毒を出すって知っていましたか?触った手を洗わないで目をこすり、失明した例もあるそうな。まあ口に入れたりはしないほうがいいです(^^;。

コバネイナゴ

 食用の虫の中では最もポピュラーですが、私はほとんど食べたことがありません。虫を食べるのはどうも抵抗があるものの、珍しいもの好きでもあるため、以前旅館の夕食で出されたときは残さず食べました。濃〜い味付けの佃煮で、素材の味がまったくしなかったのは残念なような、助かったような・・・。

ヒメシロコブゾウムシ

 体長2cm弱の小さな甲虫ですが、ゴツゴツした迫力のある体格。見つけたときはいったいコレは何者かとコーフンしました。山道ではちょっと足を止め近くの葉っぱを注意深く見ると、色々な生き物に出会えます。

ゼンマイ

 ワラビと肩を並べる山菜の王様ゼンマイです。大きく育つとこんなふうなるなんて、都会の人はあまり知らないでしょう?実は、私も数年前までは知らなかったです。

キンバエ

 息を殺して気づかれないようギリギリまで接近し一枚パチリ!やった撮れた!
 出来上がった写真を見て思う。なぜ、そうまでハエの写真を撮りたかったのであろうか。

ニホントカゲ

 日光浴をするニホントカゲ。何というメタリックブルー!何というストライプ!
 この辺ではカナヘビはよく見かけるのですが、ニホントカゲにはなかなか出会えないのです。写真の頃が最も美しい時期で、大人になるにつれ褐色に変わってきます。
 この後、思わず手を伸ばしたのですが、すばやく穴に逃げられました。少ししてから戻ると、また日光浴していました。またしても思わず手を伸ばし、また逃げられて・・・。オーイ、ちょっとだけ触ってみたかったんだよ〜!

大きなギャップ

 山の空気をいっぱい吸って、気持ちの良い一日でした。クロサンショウウオの故郷には豊かな自然があふれていました。

 その夜アパートに戻り、我が家のクロサンショウウオの飼育設備を見て思いがけなくショックを受けました。言うまでもないことですが、そこには、あの大自然のほんのひとかけらもないのです。無機質なハイドロボールを敷き詰めた水槽に、モーターで水を動かす濾過器。風を起こすのは送風ファン。足し水はペットボトルに汲んだ水道水。かろうじて生かされているだけ!?急に家のクロサンショウウオ達が哀れでならなくなりました・・・(そんなの100も承知で飼っているんでしょ?わかりきった事をいまさら、なんて言わんといて)。サンショウウオだって、こんな環境で繁殖したいとは思わなかったのでしょう・・・。

 重要なことは、「これからどう改善していくか」です。クロサンショウウオが自分の子孫を残したくなる、そんな飼い主を目指して!

2度目の繁殖チャレンジ【終了】

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