2002年6月
2002. 6. 3 餌のバラエティ
2002. 6. 6 無事でいろよ〜
2002. 6.10 一人旅を満喫(日本サンショウウオセンター)
2002. 6.13 手術
2002. 6.15 初上陸
2002. 6.16 繁殖池へ
2002. 6.17 術後の経過が思わしくありません
2002. 6.20 術後の経過 その2
2002. 6.27 上陸後の性質について
2002. 6.30 再生順調です!
20匹の幼生たちは順調に成長して口も大きくなり、いろいろな餌を食べることができるようになりました。今後は、よりバラエティ豊かな餌やりを楽しむことができます。
この辺で、これまでに与えてきた餌をおさらいしてみることにします。
種類 |
感想 |
インフゾリア |
もっとも初期に与えた餌。濾過槽の汚泥を水槽に流し込むことでその中にいるインフゾリアを与えるという前例のない(信頼度の低い)試みでしたが、その後幼生は順調に成長し、良い結果がでました。
しかも、立ち上げ直後だったスポンジ濾過にバクテリアの種を供給できたという、うれしいオマケつき。
|
ブラインシュリンプ |
幼生の孵化後1週間目から、頻繁に与えました。生まれたてのブラインシュリンプはとても小さく、小さな幼生でも飲み込める大きさなので、もっと早い時期から与えれば良かったです。
湧かすのがちょっと面倒なことと、大きな幼生にはたくさん与えないと腹の足しにならないことなど、不便な面もあるものの、抜群の餌食いで栄養価にも定評があり、非常に良い餌だと思います。
|
冷凍アカムシ |
かなり好んで食べます。幼生が小さい頃は、食べ残しが出ないようにピンセットで口元まで持っていって与えていました。小さな水槽なら、ばら撒いて与えても案外食べ残しが少ないことがわかってからは、ばら撒きで給餌するようになりました。
給餌の際は、冷凍餌の場合「ドリップ」と呼ばれる解凍時ににじみ出る体液等が水を濁らせる原因になるので、コップに冷凍アカムシを入れて解凍し、3回ほど水を換えて軽く濁りをとってから、水槽に流し込んでいました。
その後、より確実にドリップを落とすため、日本茶用のろ紙に冷凍アカムシを入れ、水道水を流しながら解凍する方法に変更。
さらにその後、その作業が面倒になり、凍ったまま水槽にポイッと放り込む方法に変更。
|
冷凍ミジンコ |
アカムシと違って、小さく細かいのでやや食べ残しが多くなります。しかし栄養価に優れており、また、自然界でも頻繁に食べられているはず。他の冷凍餌に比べて値段が高いですが、今後も与えていきたい餌です。
|
冷凍ブラインシュリンプ |
ブラインシュリンプの成体を冷凍にしたもの。1匹の大きさは5mmはあります。しかし、ふにゃふにゃしているので、小さな幼生でも飲み込めます。はじめの頃はあまり食べてくれなかったのですが、今は喜んで食べます。
ブラインシュリンプは塩水で孵化させるので、特に念入りに水道水でドリップを洗い流し、塩分を抜くことに気を使ってきました。
今は凍ったままポイッ(^^;。
|
クロマS
|
初めて与えた人工飼料です。1mmサイズの顆粒状の餌で、よく水に沈みます。
目の前に落ちてきた時に、はずみで飲み込むくらいで、いまいち嗜好性は高くありません。今後、冷凍餌と同時に与えながら徐々に慣らしていこうと思います。
|
ブドウムシ |
成体の餌として釣具屋で購入してきたものを、いたずら心で与えてみました。ピンセットで口元に近づけると、勢いよく食いついてきました。まだ少し大きすぎて、飲み込む途中で吐き出してしまうこともあります。
大きなブドウムシに果敢に挑む!
|
ミールワーム |
ブドウムシ同様、ピンセットで口元に持っていくと、勢いよく食いつきます。このサイズの餌を食べることができるようになったので、今後はいろいろな餌を工夫できると思います。ピンセットで幼生に餌を与えるのは、釣り感覚でなかなか楽しい作業。うれしいです。
|
実は、今日の昼から丸2日間ほど留守にします。
これまで、怠け者の私にしては珍しく、朝晩2回の給餌を欠かしたことはありませんでした。それがいきなり間が空くわけで・・・。共食いが起こらないように、備長炭をさらに追加して身を隠す場所を増やしておきました。
出かける前にじっくりと観察していたら、どことなく雰囲気が違う幼生を数匹発見。やばい・・・まさか変態間近・・・!?いくらなんでも、ちょっと早すぎやしませんか???
お出かけ前の時間のない中、あわてて写真を撮りました。
普通の幼生。
|
|
今回発見した幼生。ぜんぜん違うぞ!?
|
-
顔つきが丸くなってきた
-
目玉が黒目がちになり、突出してきた。
-
体色が濃くなってきた
以前、陸地を作るのが遅れた事で、1匹を溺死させてしまった苦い思い出があります。そんな事故を繰り返すわけにはいきませんが、それにしてもタイミング悪すぎ!
しかもこの幼生、全身の脱皮の最中でした。サンショウウオは変態期に全身の脱皮を行って、陸上生活に対応した皮膚になるそうです。
また、この時期に強制的に上陸させることで、急速に変態が完了し、溺死事故を防ぐことができるそうですが・・・。
|
クリックすると詳細をご覧いただけます。
|
とりあえず、その辺に転がっていた材料で応急的に陸地を作りました。
おっと、もうこんな時間だ。新幹線に遅れる!無事を祈りつつ出かけることにします。
先週末一大決心をして、念願だった三重県の鳥羽水族館と日本サンショウウオセンターに遊びに行ってきました。鳥羽水族館はさすがによかった!ビールでも飲みながら一晩語り明かしたい気分ですが、ここはいろいろなHPでも絶賛されていますので記事は他に譲るとして、私は日本サンショウウオセンターについて紹介したいと思います。
日本サンショウウオセンター
三重県の名張市にある四十八滝渓谷という「日本の滝百選」にも選ばれた景勝地をご存知でしょうか。この渓谷の入り口に日本サンショウウオセンターがあります。
- アクセス
- 近鉄赤目口駅下車 → 駅前からタクシーで約10分、バスも出ています。名古屋駅からは急行でおよそ1時間30分(名張で乗り換え後1駅)。
|
|
訪れる人の99%が滝目当てのため、日本サンショウウオセンターはただ素通りするだけの通路になっていました。口々に「気持ち悪い」とか「ゾッとする」とか言いながら、早足で通り過ぎていくのです。そーゆー言葉は鏡を見たときに言え・・・そんな中、小さな女の子が「こわいよ」と泣きそうになりながら顔を背けて歩いているのを、お母さんが「よく見てごらん。かわいいよ。」とやさしくたしなめていたのがほほえましかったです。
1階には外国産のイモリ類、2階には国産のサンショウウオが飼育されていました。なんといってもメインは2階です!(滝へは1階からも行けるので、2階まで上がらない人の多いこと。誰も興味ないのね・・・(;;))
クロ
エゾ |
エゾの幼生 |
オオダイガハラ |
オオイタ |
トウホク |
トウキョウ |
ヒダ |
カスミ |
-
完全水棲種を除く全ての水槽が、陸地と水場の半々になっていました。水場の水深は十数cmほど。このように水場を設けるのは産卵期だけなのかもしれませんが(実際、数種類のサンショウウオが産卵していた)、水質の維持に有利でこそあれ害にはならないので、通年そうしているのだと思います。
-
水中には、逆さまのビンのフタがお皿のように沈めてありました。きっと、そこにイトミミズを入れて、水槽内で繁殖した幼生に与えているのでは???
-
水中には、アナカリスと思われる水草がたっぷりと入れられているものと、まったく入れられていないものとが両極端でした。水棲傾向が強いものや、水草に卵を産む種類にだけ水草を入れているのでしょう(水草にイモリの卵発見)。
日本産サンショウウオの場合、水中には広葉樹の枯葉や握りこぶし大の石が入れてありました。枯葉は、鑑賞効果を狙って陸地に活けた木の枝から落ちただけかも知れませんが、石には卵の姿もちらほら。なるほど、これも産卵床かぁ!また、ビンのフタに産み付けられているものも見つけました。ある程度大きくて硬いことが共通点!?
-
ひとつの水槽でたくさんのサンショウウオが飼われていても、シェルターはたいてい1つだけ。これは鑑賞効果を考えてのことでしょう。それでもバッチリ繁殖までしているのは、さすがとしか言いようがない・・・。
-
水槽内にミールワームを見つけました。その他にはどんな餌を???
-
水温は20℃くらい。なぜかどの水温計もキスゴムが外れて水面に浮かんでいたのですが、これは元に戻すのが面倒なだけとみた(笑)。
見学して気が付いたことをざっと書いてみました。まだまだあったはずですが、多すぎて忘れました。やっぱり専門的な施設を実際に目にするのは勉強になります。
さらに、いろいろ疑問点についても教えてもらおうと、勇気を振り絞って「研究室」と書かれたドアをノックしてみたものの、残念ながら留守。でも、十分成果はありました。本当に行ってよかった!!!
|
お土産のキーホルダー |
帰りは名古屋空港から新潟まで飛行機でひとっ飛び。生物を飼育していると、当然ながら、旅行ものんびりとはできません。サンショウウオの幼生のことも気がかりでしたが、成体が拒食を起こしていることが一番の心配事でした。
食欲が落ちたときは、あれこれかまわずに放っておくのが大切だということはわかっていましたが、放っておくというのもなかなか難しい。「気になってしかたがない → なんとか餌を食べさせようとする → 食べない → さらに拒食」という最悪のパターン。ですから、旅先でかまいたくてもかまえないという状況は、かえって好都合ともいえました。
帰宅して、さっそく給餌。好物のブドウムシです。ここで無茶をして余計な刺激を与えてしまっては、これまで留守にしたことが無駄になってしまいます。慎重に口元すれすれに餌を運びました。こんなに緊張した給餌は初めてのような気がします。
・・・。・・・。・・・ぱくっ。
ぃやったーーー!!!(涙)。
旅行に出かける前、私のサンショウウオの師匠、山椒大夫さんに相談してみたところ、環境の変化が拒食を引き起こした可能性があるとのこと。そういえば、食欲が落ちてきたのは新しい飼育部屋を作った頃からでした。そんな基本的なことに気が付かなかったなんて・・・。
私は、飼育環境をより良くできるならば、一刻も早くそうするべきだと考えていました。しかし、その環境の変化自体が、サンショウウオにとっては拒食を起こすほどのストレスになるのだと知りました。
この失敗経験は、今後の糧になると思います。
留守にしている間、幸い命を奪うほどの共食いはありませんでした。しかし、左前足をかなりむごい状態にかじられてしまった幼生が・・・!
フライドチキンの骨・・・
その幼生は肩口から腕全体を食いちぎられており、痛ましいことに上腕の骨だけがむき出しになって残っていました。まるで、肩からフライドチキンの骨が飛び出したような状態です。
根元からなくなったわけではなかったので再生の望みはあるものの、このまま放置して様子を見るべきか、それとも、飛び出した骨を切り取って傷口を平らにしてやるべきか迷いました。傷口をキレイにしたほうが速やかに再生するはずです。しかし、デリケートな幼生を下手にいじりまわしては、余計なストレスで死に追いやってしまう心配もあります。
手術を決行
しばらく様子を見ていましたが、数日前から傷口に水カビが付着しはじめました。もはや、飛び出した骨を放っておいても何もいいことはありません。手遅れにならないうちに、傷口を整形することを決心しました。
用意したのは、熱湯で消毒した爪切り。これで飛び出した骨をキレイにカットするわけです。
慎重に患者を捕まえたまでは良かったのですが、いざ手術のため水から出したら暴れる暴れる!押さえればさらに激しく暴れて跳ね回る。つい押さえる手にも力が入ってしまいます。これはまずい。どうすればっ!?
とっさに、ティッシュペーパーを被せて押さえたところうまくいきました。切り過ぎないように慎重に骨を切り取り、なんとか無事水槽に戻すことができました。
手術の手際が悪かったことで、かなりダメージを与えてしまったと思います。今は落ち着いているようですが、明日になったら死んでいた・・・なんてことを考えると気が気ではありません(;;)。
夜中にオシッコがしたくなってトイレに行ったとき、とうとう上陸している個体を発見!
15日深夜0:00のことです。
以前幼生を飼育したときは、7月に幼生を捕まえてしばらく飼育した後、真夏になってから変態しましたので、今回も上陸はまだ先のことだと考えていました。まさか、こんなに成長が早いなんて!卵から飼育して初めてわかったことです。
変態完了・・・誕生から2ヶ月
全長6cm弱。とても小さいです。しばらく息を殺して観察していましたが、じっとして動く気配はありませんでした。私がオシッコを出しはじめたら、おどろいて一目散に水中に逃げていきました(笑)。
上陸のために用意してあった陸地は、使っていなかった底面濾過用のプレートを斜めに立てかけただけの簡易なもの。写真でわかるとおり、陸地部分が乾燥していて良くないので、ポリの水槽から少しウィローモスを失敬して、陸地部分に敷き詰めてあげました。
もう、興奮というか感動というか・・・眠気はすっかり覚めてしまい、こうしてHPを更新している次第です。
今このとき、ワールドカップ勝利の余韻で眠れない人は日本中にたくさんいると思いますが、サンショウウオ上陸で眠れなくなっている人は、私ひとりの可能性が。
|
変態完了!
|
成体と幼体
|
飼育中の成体との比較写真を撮ってみました(同じ繁殖池出身。兄弟かも!?)。
上が5歳、下が2ヶ月です。
この大きさの違い!!!
|
先日手術を行った幼生も、幸い何事もなかったかのように元気にしていますし(^^)、1匹も死なせることなく最初の上陸まで育てることができて、本当に良かったです。
そして、満足しながらながめている時に急に気が付きました。別れの日が近いということに。上陸したら山に返すことは、はじめから決めていたこと。朝晩餌をやり、トイレにまたがって水槽の中をのぞいた毎日が、もう少しで思い出になってしまうのだと思うと胸が詰まります・・・。
クリックすると詳細をご覧いただけます。
|
まだ水の中が恋しいのか、昨日上陸を果たした幼生はその後陸地に姿を見せませんが、水槽の中には、他にも外鰓がなくなりかけているのがちらほら見受けられます。
これから次々と上陸してゆくでしょう。
|
遅くても来週の休みには、繁殖池に帰しに行かないといけないだろうな・・・。
重要なメール
そんなことを考えていた矢先の今朝、幼生飼育に関して非常に重要なメールをいただきました。ある本によると、「トウキョウサンショウウオは卵か幼生のうちに放さないと、そこに定着できず繁殖期にも戻ってこれない」らしいのです。クロサンショウウオも大差ないはずです。
私は、上陸した幼体がピンセットに餌付いた後では野生で生き残るたくましさを失ってしまうと考え、その前に放せば問題ないだろうと思っていました。しかし、それはまったくの認識不足だったようです。
サケは産まれ故郷の川を間違えずに帰ってくるといいますが、サンショウウオも自分が初めて陸に上がった場所を忘れないのでしょう。確かに、そうでなければ毎年同じ池で産卵が行われるはずもありません。
ご指摘がなければ、私はこのことにずっと気が付きませんでした。本当にありがたいアドバイスでした。
(7.7 追記)上記の本はかなり昔の本であり、現在は、サンショウウオは上陸後に移動分散したルートの匂いを記憶し、繁殖の際は、そのルートを逆にたどって戻るということがわかってきたそうです。ですから同じ水域に放せば上陸後でも問題はないそうです。
一刻を争う!
水槽の中をよ〜く観察すると、完全に外鰓がなくなったのが1匹(昨日上陸した幼体)、なくなる寸前が6匹、まだフサフサしているのが13匹でした。
外鰓がなくなる寸前=6匹 |
|
まだフサフサ=13匹 |
このまま最後まで責任をもって飼育すればよいのでしょうが、数が多すぎて私にはとても無理です。里親を募ることも考えましたが、今ならまだ自然に帰せる見込みもゼロではありません。手遅れにならないうちに繁殖池に戻すことを決心しました。
日曜日の朝から大騒ぎです!
ただ、すでに上陸してしまった1匹はもう手遅れなわけですし、また、先日前足の切除手術を行った子も、このまま放り出す気持ちにはなれません。これらの2匹は引き続き我が家で飼育することにしました。
できれば、産まれた20匹全部を自然に帰したかったのですが、仕方ありません。仕方ありませんと言いつつ、本心は我が家に残す理由ができたことがうれしくて仕方なかったりします・・・。
いざ繁殖池へ
卵のうを持ってきたときに使った発砲スチロールの容器に18匹の幼生を入れ、高速道路を飛ばして繁殖池に向かいました。
繁殖池では、たくさんの兄弟達が出迎えてくれることを期待していたのですが、1匹も見つけることができませんでした。やはり水槽の中の環境と自然の環境とでは、成長速度にも差があったようです。
ちょっと心配になったのは、水面に油膜が広がっていたこと。近くにはたくさんの田んぼや畑があり、そこで使っている農作業用の機械から染み出た油かもしれません。でも、たいした量ではなかったし、大自然がすぐに浄化してくれるはず・・・。
名残はつきない・・・
慌ててアパートを出たため、水温計やpH計などの観察アイテムを忘れてきてしまいました。念のため容器に池の水を少しずつ足して、水合わせをしてから池に放すことにしました。
水合わせをしている間、これまで考えてきたいろいろな思いが浮かんでは消えました。
大急ぎで繁殖池に戻しに来たものの、変態間際だった幼生は、もう手遅れなのかもしれない。それに一度は人間に飼われた幼生です。何の問題もなく野生復帰できるとはまったく思っていません。もしかすると、私が飼育したことでその寿命を縮め、また、虐待になったかもしれないことも承知しています。繁殖池に返すことも、身勝手な、ただの自己満足な行動であることも承知しています。
でも、おかげでとても勉強になったし、楽しい日々を送らせてもらいました。できるだけ生き延びて欲しいです。
|
名残惜しいですが、そっと容器の水ごと幼生を池に放ちました。
一目散に泳ぎ去るでもなく、ふらふらと漂い、時折水面に息を吸いに上ってくる姿をしばらく見ていました。
こんな調子では、あっという間にヤゴの餌食になってしまいそうな雰囲気・・・。
がんばるんだぞ!!!(涙)
|
季節外れのアケビ
その後、初夏の日差しを楽しみながら、池の周りを散策しました。
よく、クロサンショウウオの卵のうの形を、アケビ型と表現します。しかし、都会の人の中にはアケビの実を見たことがない方もいるかもしれません。偶然、繁殖池の近くでアケビの実を見つけたので写真を撮りました。
まだぜんぜん熟していませんが、秋になり熟してくると紫色に変わってきます。熟すと、ぱっくりと裂け目が開いて、たくさんの種が詰まった白い果肉が姿を現します(開け実=アケビだそうです)。これが甘い。
外側の果実の部分は、味噌を付けて焼くと独特の苦味がおいしい酒の肴になります。
また、アケビのつるは「木の芽」と呼ばれる春の山菜。さっと湯がいてあくを抜き、うずらの卵であえて食べます。
|
アケビの実
|
どうか元気で!
|
帰る前に、もう一度幼生を放した水辺を覗いてみました。
もう、ほとんどがどこかに泳ぎ去ってしまった後でしたが、のんびりした幼生を1匹発見(^^)。
思わず、両手ですくい上げる。
|
しばらく手の中の幼生を見つめ、そして、そっと池に放しました・・・。
これにて、幼生の飼育日記(3度目の繁殖チャレンジ)は終了です。我が家に残った2匹の幼生。彼らの今後の様子については、引き続き当コーナーで報告していきたいと思います。
上腕骨の切除手術を行った幼生は、いったんは快方に向かったかのように見えましたが、傷口に水カビが再発し、しだいに弱ってきています。
両生類は、弱ってきたと感じたらすでに手遅れであることが多いと聞きます。もう、どうしてよいかわかりません・・・。とにかく水質を良くしようと思い、また備長炭を追加しました。
あまりいじりたくなかったのですが、狭い容器の方が苦労なく餌にありつけるので、小型の産卵箱に移しました。
産卵箱にも備長炭を入れ、またスポンジ濾過からの排水の一部をエアーチューブで引き入れて、ごく緩やかに水を循環させています。
この環境でブラインシュリンプをたくさん与えて体力をつけさせたいと思います。しかし、ちゃんと食べてくれるかどうかさえも・・・。
|
|
やったー!良くなってきましたよ!!!
|
|
手術前は、ここから骨が飛び出していた・・・。
|
水カビは消え、皮膚が再生して傷口がふさがりました!食欲はまだいまいちですが、ちゃんとアカムシやブラインシュリンプを食べています。
<回復を祈って行ったこと>
- 備長炭をたくさん入れた。
- 小さなケースに隔離して餌を見つけやすくした。
- 食べ残しはスポイトで掃除した。
- 落ち着けるように、発砲スチロール板を水槽のガラス面に貼って薄暗くした。
雑菌の繁殖を抑える薬の使用も考えましたが、今回はその必要はありませんでした。やはり幼生の強い生命力がものをいったと思います。今後は順調に再生していくことでしょう。
ちょベリグです!(←最近の若い人はもう知らない)
|
初めての上陸の後、また水中に戻ってしまったのですが、1週間経ってようやく再び上陸したのを確認しました。
しばらく観察していたけれど、ボケ〜っとしてぜんぜん動かない。水槽を叩いても動かない。音に敏感だった一時期がウソのように無反応です。指先で体をつついてみました。・・・動かない。
ガマンできず、つまんで水に入れてみた。
ぴくりともせずに、プカプカ・・・。
|
・・・数秒水面に浮かんだ後、飛び起きたように水底に逃げ去りました。心臓に悪いってホント!
クロサンショウウオの成体は1日中ボケ〜っとしていることが多いのですが、どうやら上陸直後からボケ〜っとしていることがわかりました。
飼育環境の見直しについて
実はこの後、またまた水中生活に戻ってしまい、以来上陸していないのですが、早めに大部分が陸地の水槽に移してやるべきと思います。しかし、飼育中の成体と一緒にするにはまだ小さすぎて不安(間違って食べられてしまいそう)。ある程度のサイズになるまでは隔離して育てる予定です。
片腕をかじられた子もかなり変態が進み、外鰓が目立たなくなってきました。片腕が生えてくるまで、3本足での陸上生活はちょっと大変でしょうが、あまり動き回る生物ではないのできっと大丈夫と思います。
腕の付け根から、ちょこんと何かが生えてきました(^^)。再生芽と呼ばれる部分だそうです。これがだんだんと伸びてゆき、左腕が形作られていきます。
驚いたことに、再生芽は傷口周辺の筋肉や骨の細胞が分解して作られるのだそうです!このように、すでに何かの組織だった細胞が再び分解して別の新しい組織(この場合は左腕)を形成する基になることを、脱分化と呼ぶそうです。
この子は右足の先もかじられてしまっているのですが、そっちはもうかなり再生が進んでおり、指らしきものも出てきました。
新居について
脱走中の”ちびくろ”です(写真下。右上は5歳の成体)。
もう一匹は3本足だから”サンボ”と呼ぶことに決定。
ちびくろ&サンボの今後の活躍に請うご期待。
|
成体の水槽にプラケースを入れて、そこを幼体の飼育コーナーとしました。中にはウィローモスを入れてあります。
幼体を新居に移して1時間ほど経ってからのぞきにいくと、さっそくプラケースから脱走してしまったちびくろを発見。おーい、食われちまうぞ(笑)。
食われちゃったら洒落にならないので、ケースにフタをしました。
|
さて、今後の課題は餌付けです。
環境が変わったことで食欲が落ちているでしょうし、そもそもサンショウウオは上陸後、妙に餌食いが悪くなる時期があります。
素直に餌付いてくれますように・・・。
|