2002年7月

2002. 7. 3 あっさり餌付いてしまいました
2002. 7.13 5年の付き合い

2002. 7. 3 あっさり餌付いてしまいました

 餌付けを決心した翌日、2匹の幼体は早くもピンセットから餌を食べてくれました。特に三本足のサンボがたくさん食べました。
 上陸前から、水中でピンセットを使って餌を与えていたので、馴れていたのかも。ちょっと拍子抜け!?
 今後も調子よく食べてくれるかはわかりませんが、ひとまずホッとしたところです。

餌を嫌がる仕草について

 与えた餌は、餌付けに定番の冷凍アカムシ。
 これを解凍して、そーっと口元に近づけ軽く口先に触れさせてみると、はじめは思い切り嫌がり、全身が飛び跳ねるほどの勢いで顔を背けました。しかし、この時の嫌がり方は、食べる可能性あり!と直感。何度か繰り返したら、バッチリ食いついてくれました。

 餌を嫌がる仕草にもいろいろあります。我が家ではこんな感じです。






























  • 勢いよく顔をそむける。
     これは、餌だとわからずに驚いただけで、餌自体を嫌がっているのではない場合があります。最大限にやさしく給餌を繰り返すと、何度目かのトライで食べてくれることも。数回やってダメなら、本気で嫌がっているだけなのでさっさとあきらめます。決してしつこくしない。

  • 顔を左右にゆっくり振りながら、口を床材にこすり付ける。
     いきなりこの行動をとったときは、味や匂いを嫌がっているようです。こんなときは先に他の個体に食べさせて、食欲をあおります。
    (餌を食べている最中にこの行動をとった場合は、口からはみ出た餌をちぎろうとしている場合や、口元に付いた餌の残骸、匂いをぬぐい取っている場合があります。)

  • いかにもけだるそうに顔を背け、目を閉じながら眼球を奥に引っ込める。
     食べる元気がない感じ。こんな日は、そっとしておいてあげます。
    (餌をたくさん食べて満腹になったときも、同じ仕草を見せることがあります。)

  • 勢いよく顔を背けた後、そのまま歩き出して逃げようとする。
     調子が悪いか、機嫌が悪い。逃げ出した先でもう一度トライしてみて、さらに逃げるようだと、たいてい食べません。放っておくのが吉。

 餌を食べる可能性が高い順に記載しましたが、一番高いものでも、その確率は5割以下。無理に食べさせようとすると、かたくなに拒むようになります。
 サンショウウオの餌やりは「鳴かぬなら鳴くまで待とう・・・」が極意のようです。

脱走

 成体水槽の中に設置してある幼体ケースから、ちびくろが脱走しました(サンボは壁を上れない)。不注意でケースのフタがきちんと閉まっていなかったのです。
 どこにも姿が見当たらず、ついに成体に食われてしまったのか!?と青ざめましたが、よ〜く探すといましたいました・・・。


シェルターの流木をはぐったところ。どれどれ・・・。

見つけた!

 いっちょまえに、成体たちの群れに混ざって流木の下に隠れていました。くぅ〜、かわいすぎる・・・。

2002. 7.13 5年間の付き合い

 先日の11日で、我が家にクロサンショウウオが来て5年が経ちました。
 5年も飼育すれば自分もベテランの仲間入りかと思っていましたがとんでもない。勉強不足で未だにわからないことだらけです。
 10年目にも同じセリフを書いている姿が目に浮かびます(爆)。

幼生の成長と気象について

 5年前は7月中旬になっても繁殖池に変態前の幼生がたくさん見られたわけですが、今年は先月、繁殖池に行った時には、すでに姿がありませんでした。この冬は全国的にも暖冬で積雪が少なかったため、例年より早い時期に産卵が行われ、上陸も早かった模様です。

 しかし、気象データを調べてみると、実は5年前も積雪がかなり少なかったのです。加えて晩冬は例年より気温の高い日が続きましたので、今年同様、早い時期に産卵が行われたことが想像できます。

 ならば、どうして5年前と今年とで上陸の時期におよそ2ヶ月もの差が生じたのでしょうか?
 私は、産卵の時期以外にも、孵化した後の条件の違い、特に繁殖池の水の温度が、幼生の成長速度に影響を与えたのではないかと考えました。
 そこで、5年前と今年の春の天候を調べてみました(下表)。

 一番目に付くのが、5年前の雨の多さです。平年の2倍です!一方、今年は平年をかなり下回っています。
 また、雨が降る時は曇っているわけですから、5年前は当然日照時間も短くなっています。

<4月・5月・6月の平均気象>
  5年前 今年 平年
気温(℃) 16.3 17.0 15.9
降水量(mm) 210.2 83.4 108.4
日照時間(h) 166.8 193.3 184.9
※新潟地方気象台

 日照時間が短ければ、気温はもちろん池の水度は上がりませんし、池に降る雨粒そのものも、落下中の蒸発で熱を奪われて冷えています。また、降った後も蒸発時に熱を奪い、大地を冷やします。
 やはり、水温が平年より低かったのでは?

 水温が低いことで幼生の成長速度が鈍り、また、餌となる水生昆虫の発生が少なく餌不足もあったでしょう。これが5年前の上陸の時期を遅らせた原因では?と予想します。

卵数で天候を予想する

 ただの思いつきですが、もしかして「卵のうの中の卵数が多い年は春に雨が多く、少ない年は雨も少ない」なんてことありませんかね?
 上述のとおりであれば、雨の多い年は、餌が少なくて幼生同士の共食いも頻繁に行われたことでしょう。ならば共食いの分を含めて、たくさん産む必要があるはず。

 野生動物は、人間にはない超能力を持っているという話をよく耳にします。新潟ではカマキリが卵を産みつけている位置により、その年の積雪量を予想するカマキリ博士が有名ですが、サンショウウオの卵数で、その春の雨の多い少ないが予想できるとしたら、ちょっと面白そうです。

肘関節再生!

 サンボの腕の切断から1ヶ月。
 肘の関節まで再生が進みました!

 もう1ヶ月もすれば、元通りになるのではないでしょうか。うれしいけれど、完全に生えそろったら、ちびくろとサンボの区別はできなくなります(^^;。

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