ミールワーム tenebrio molitor


幼虫 → サナギ → 成虫

 ミールワーム(ゴミムシダマシの幼虫)は、ホームセンターのペットコーナーで小鳥の餌として広く販売されています。一度購入すれば、それを種親に容易に養殖できるので非常に経済的。
 成虫はあまり好まれないので、イモムシ状の幼虫を用います。サンショウウオの大好物。

栄養価の問題

 ミールワームはカルシウムが極端に少なく、また、理想的には1.5:1であるべきカルシウムとリンの比率が1:12前後と、大きな問題を抱えています。そのため、ローディングやダストによる栄養改善が必須。

消化の問題

 ミールワームは外皮や頭部が硬く、消化がよくないといわれています。実際、フンに混じって未消化の外皮や頭部が相当発見でき、水換え時の汚れた水の中にはたくさんの外皮が漂っています(逆に言うと、中身はちゃんと消化されているといえるが)。
 しかしそれらの難消化物は、人間でいうところの”食物繊維” 同様、重要な役割を担っている可能性があります。フンの材料となったり腸壁を刺激したりすることで、程良い間隔での排泄を促しているのではないでしょうか。
 もちろん、極端に多すぎては腸閉塞の心配もあるので、ミールワームを一度に大量に与えたり連続して与え続けることは避け、又は、脱皮直後の柔らかいものを選んで与えるのが良いと思います。

ミールワームの与え方

  • 頭側から与える

 ピンセットでつまんで、頭側から与えます。頭側にはウジャウジャとうごめく足があり、このように小さくて動いているものを餌だと認識して食欲を刺激するみたい。逆に、足の異物感に驚いて口にした直後に吐き出す場合もあるので、特に臆病で食の細い個体には、あらかじめミールワームの頭と足をハサミでチョッキンしてから与えます。
 うまく噛みつけなくて空振りが多い場合、目の前に落としてあげると、虫の動きを見て上手に捕食できることがあります。

 食べられたミールワームが胃袋を食い破って体外に出てしまうという、恐ろしい事故の話をたまに聞きます(単なる噂話ではなく、実際にそれが原因でペットを死なせてしまった例を飼い主の方から聞いています)。めったにあることではないでしょうが、心配な場合は次のような与え方があります。この方法は、餌食いを良くするためにも非常に効果的です。

  1. 頭部をピンセットの先端で押しつぶす。

  2. はみ出た内臓・体液をサンショウウオの口元に押し付けるようにして与える。

 いくら餌にするとはいえ、このように生きた虫の頭をつぶすのは残酷すぎて気が引けると思います。しかし、安全面、食欲増進のメリットが大きいため、私はこの方法をよく行っています。

ミールワームのストック法

  • プラケースや衣装ケース

  • キャットフードなどを敷き詰める

  • 水分補給用に少量の野菜クズを

 プラケースや衣装ケースが便利です(幼虫も成虫もツルツルした垂直の壁を上れません)。
 ケースにはキャットフード・熱帯魚の餌・ボレー粉(牡蠣の殻をくだいたもの)などを混ぜたものを、床材兼餌として数センチ厚に敷き詰めます。床材を湿らす必要はなく、ニンジンなどの野菜くずを少し入れておくだけでミールワームにとって十分な水分補給ができます。野菜くずをたくさん入れすぎると、湿気て床材がカビることがあるので要注意。

 放っておけば次々とサナギになり、羽化して成虫になります。そして、やがて床材に卵を産みます。卵はおよそ1週間で孵化し、3ヶ月ちょっとで成虫にまで育ちます。
 効率的な繁殖には25〜30℃が適しており、夏の終わりから秋口にかけて爆発的に繁殖するので、冬の間のミールワームも充分まかなうことができます。


ミールワーム
キャットフードの中でストック

 床材兼餌のキャットフードなどが減ってきたら、適宜追加します。換わりに細かい粉塵のようなフンがたまっていき悪臭の原因にもなるので、数ヶ月に1度、意を決して床材の入れ替えを行ってください。目の細かいザルで漉したり、割り箸で1匹1匹選り分けたり、かなり大変な作業になります。あ〜、あれをまたやらなきゃダメだと思うと、非常に気が重いです・・・。

床材には木炭をたくさん混ぜると良いです。いやな臭いがかなり改善されますし、糞から発生するアンモニア等を吸着し、ミールワームの健康も保つことができます。木炭はバーベキュー用の安価なもので充分。

 ちなみに、ひと昔前に流行ったイモムシ入りキャンディーには、このミールワームが入っていました。

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