生活史クロサンショウウオが、どのような生活を送っているのか紹介します。 水中生活から陸上生活へ |
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産卵場所は種類によって異なり、川のような流れのある場所に卵を産むものと、池や沼のような止水(たまり水)に産むものとがあります。「サンショウウオ」=「清流の生き物」というイメージは、ここでも誤りということです。 クロサンショウウオは後者のタイプで、2〜5月頃、止水にいっせいに集まって産卵します。 |
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メスは1対2房の卵のう(片房30〜40個の卵が含まれる)を水中の小枝などに産み付けます。
この際、オスはメスに抱きついて引き抜くようにする助産行動をとります。これは、クロサンショウウオは体外受精のため、メスが産んだ卵のうにいち早く自分の精子をかけるためだと考えられています。
ちなみに、ほとんどの有尾類は体内受精であるのに対して、なぜか日本のサンショウウオはすべてが体外受精という珍しい特徴を持っています。
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クロサンショウウオの卵のうはアケビ状で、サンショウウオの卵の中では唯一白濁しており、他種のものと容易に区別できます。 |

卵のうについて、こちらで詳しく解説してますのでご覧ください。 ⇒ 「サンショウウオのたまご」
サンショウウオの卵のうは種類ごとに特徴があるため、同定(種類を見分ける)の目安になります。
産み付けられた卵のうから、数週間で幼生が孵化します。
孵化に要する日数は水温が高いほど短くなり、およそ次の式が成り立つそうです。
| 産卵から孵化までの日数=−5×平均水温+79 |
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生まれてくる幼生は、外鰓と呼ばれるふさふさしたエラのあるかわいらしい姿をしています。 孵化から2ヶ月ほど経つと、外鰓が徐々に小さくなり、変態の時期をむかえます。(変態とは、オタマジャクシからカエルになるように、幼生が成体の姿に変化すること。) |
一般に、変態したばかりの個体を幼体と呼び、成長に従って、幼体→亜成体→成体と呼び分けます。
| 呼び名 (年齢の目安) |
解 説 |
| 幼体 (0〜2歳) |
変態後の未成熟の段階で、亜成体以前のもの。 |
| 亜成体 (3〜4歳) |
厳密な定義はないが、成体になる直前の段階を指して用いられる。 |
| 成体 (5歳〜) |
成長して繁殖活動を行えるようになった段階。 |
1つの卵細胞がどのように成長して大人のサンショウウオになるのか、アニメーションで紹介していますのでご覧ください。 ⇒ 「サンショウウオの発生段階アニメ」
冬と夏には、あまり餌を摂らずに土中にもぐりこんで冬眠や夏眠をすることが知られています。
15年程度以上(せいぜい20年程度?)は生きことができると考えられていますが、あまりよく分かっていません(一説には40年以上とも)。
野生下では、ベビやイタチ・タヌキ・鳥などの天敵に襲われる危険が多いため、平均的にはその半分以下で死んでしまうことが多いようです。
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