2003年6月

2003. 6. 3 故郷の繁殖池

2003. 6. 3 故郷の繁殖池

 毎年春に一度は訪れる我が家のクロサンショウウオたちの故郷。今年も行ってきました(5月17日)。


繁殖池(手前)と、下方に続く段々田んぼ

 昨年訪れた際、油膜が発生していて少し不安を感じたのですが、今年はもっとひどい状態でした。びっしり。
 傍らには農業機械が置いてありました。まさかこの池の水で機械油を洗い落とし、汚水を池に流してしまったのではあるまいか・・・。

 水底を覗いても、幼生たちの姿は見当たりません。

 胸騒ぎが。

(追記)油膜と思ったのは鉄バクテリアの可能性があるそうです。このバクテリアについて詳細をご存知の方がいたら教せーて!

卵のうを発見

 しばらく捜し回って、まだ崩壊していない卵のうを1房発見。たった1房とはいえ、見つけることができて良かった!

 すでに中の幼生は旅立っており、卵のうはもぬけの空。幼生はどこ!?


卵のうがあった!長径7cm。

幼生を発見

 小さな網で水底をさらい、ようやく幼生を見つけました。しかし、長々と探してわずかに3匹・・・。

 付近一帯は自然豊かな地域で、クロサンショウウオが産卵できる場所はたくさんあります。仮にこの池がダメになってしまっても大勢に影響ありません。
 しかし、我が家のクロサンショウウオたちの故郷であるこの繁殖池は、私にとっては特別の存在。いつまでもサンショウウオが卵を産みに来る場所であってほしい・・・。


ようやく見つけた幼生。透き通っていて、眼球の大きさが良く分かる。
右はフタバカゲロウの幼虫(2003.7.21訂正)。良い餌になっていることでしょう。

 エゴでしょうが、もし我が家で繁殖に成功すれば、わずかずつでも放流することができます。私は6年前この繁殖池から幼生を連れ帰ったことで、いっしょに”責任”も持ち帰ったような気がします。

変態までの期間と環境の安定度

 小さな池は大きな湖や流水に比べて環境の変化に弱く、最悪干上がってしまうこともあるでしょう。そういう環境では、一刻も早く変態を完了しなければ命に関わるので、止水性のサンショウウオが早々と変態完了するのは道理にかなっています。一方、流水性のサンショウウオは上陸に至るまで数年かかることが多いそうですが、これは、流水がそれだけ長居しても安全な環境だから可能なことだといえます。

 同じ止水性のサンショウウオであっても、種類によって、変態までに要する時間はまちまちだそうです。より幼生期間の短い種類はそれだけ過酷な環境(変化しやすい環境)で生きてきた種類と考えることができるのではないでしょうか。
 さらに突き詰めると、同じ種類の中でも個体群によって違いがあるはず。特に、越冬幼生が多く観察できる個体群の繁殖場所は、昔から比較的安定した環境にあったことが想像できます。

6年目の真実!

 幼生を探しているときに大物が網に入りました。アカハライモリです。この池では、弱肉強食のピラミッドのトップに位置している生き物だと思います。

 思えば、私はアカハライモリを捕まえようとしてこの池を訪れ、偶然クロサンショウウオの幼生と出会ったのでした。感慨深いものがあります。あれから6年経って、とうとう見つけることができました。




アカハライモリ。あでやかな腹部。

マジでビビった

 繁殖池周辺の草やぶで、目ざとくカナヘビを発見。
 付近にはニホントカゲも生息しています。

 その後、今度はすばやく斜面を這い登っていく姿がありました。それは、40cmくらいの小ぶりのシマヘビでした。
 しかし、見つけた瞬間はそれがヘビだと思わず、

「めちゃくちゃでっかいカナヘビがいる!」(マジぼけ)

と、素でビビったことが、今思い出しても笑えます。

  さて、今回繁殖池を訪れた目的のひとつは、池に棲む微生物を調べることでした。幼生の餌について、もっとよく知る必要があると考えたからです。
 そこで、池の泥や水を500mlペットボトルに汲んで持ち帰ってきました。また、同じ日、某村の繁殖池からも水を持ち帰りました。いったいどんな微生物が棲んでいるのでしょうか。2つの池に違いはあるのでしょうか。おって報告します。

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