2004年10月

2004.10. 3 回復の歩み その3
2004.10.10 順調!
2004.10.14 温度環境の改善案

2004.10. 3 回復の歩み その3

1日の様子

 早期の抗生物質使用が功を奏してか、左目はあれ以上悪化することなく次第に回復。一方の右目も回復速度は以前より落ちるも、薄皮をはぐように少〜しずつ、しかし確実に治ってきています。
 食欲もあり、どうにか無事今回の病気を乗り切ってくれそうな感じ。

 これまで7年以上に渡り、試行錯誤しながら飼育方法の改善に取り組んできた結果が現在の飼育スタイル。基本に立ち返り、新たに入手した本を参考に飼育の間違いをひとつひとつチェックしてみたのですが、さらなる改善点を見つけることは難しい状況でした。
 一応、前回行った照明の改善(12)に引き続き、もうひとつ構想中のアイデアがあるのですが、それを取り入れたとしても劇的な効果があるかは疑問(少なくともプラスにはなるので近々導入予定ではある)。
 飼育改善は永遠の課題としてこれからも取り組んでいくとして、その時間稼ぎ的な意味合いで、この日、殺菌灯の設置に踏み切りました。

 殺菌灯とは、水の循環経路に挿入して紫外線を照射し水中の雑菌を減らす装置で、直接的に病気のリスクを抑えるのが目的です。
 「水の量<床材の量」という現在の飼育環境では、ただ設置しておくだけでは大した成果は期待できない(水中の雑菌は減っても床材表面の雑菌は減らない)ので、一時的に掃除頻度を上げるなどして、トータル管理で雑菌数を低レベルにもっていく必要があります。

【UV殺菌灯 Turbo-Twist 3X】

比較的安価(\18,000くらい)で、ポピュラーな殺菌灯。
筒の中をらせん状に水が流れる仕組みになっており、紫外線がムラなく照射される。水を流すには別途ポンプが必要(すでにある濾過経路に挿入するとよい)。ワット数の大きい殺菌灯はその分水温も上げてしまうので、一番小さいものを選んだ。このクラスなら大した発熱量ではないが、念のため、水槽用クーラーの手前側に設置。

3日の様子


今度こそ安心!?

 とうとう右目の白濁は完全になくなり、正常に戻りました!左目も白濁はなくなりましたが、ルーペで観察すると上部の角膜に少し皺がよったような部分アリ。しかし、こちらも正常に戻るのは時間の問題と思われます。

 前回、隔離をやめた直後に病気が再発したこともあり、不安はありますが、今日から本水槽に復帰することにしました。殺菌灯が設置してある本水槽のほうがより感染症のリスクは少ないはず。これでまた再発するようなことになれば、見当違いの対策を講じてきたことになります。今後しばらく目が離せない。

  ・
  ・
  ・

 本水槽に戻すと、モソモソと流木の下にもぐり込んでいったキョロ。ほっと一息ついた次の瞬間、近くにいた個体がキョロの顔面をパクッ!!!(わー!)
 すぐに餌ではないと気付いて離したので大事には至りませんでしたが、復帰の歓迎にしてはちょっと手荒すぎる挨拶ではないかい、おい。

2004.10.10 順調!

 隔離をやめてから1週間が経過しました。再発の兆しはなく、食欲も上々。

 もう大丈夫かな?


ハロ〜

飼育改善

 さて、光環境以上に無頓着だったのが「湿度環境」でした。
 これまでは、とりあえず底床に湿り気があり空気が循環していればOK、という程度の意識しかなく、また、湿度を管理することそのものが困難ということもあり、湿度計も設置していませんでした。
 改善の余地があるため、このたび”大自然の力”を借りて湿度を調節することにしました。

 と、大げさに言うほどのものではなく、エアーポンプを窓の外に据え付けて、屋外の空気を水槽内に引き入れるようにしました(10/9設置)。
 これで難しい湿度管理を自然任せにでき、また、常に新鮮な空気が水槽内に取り込まれるようになりました。


軒下にぶら下げた。

 特に工夫した点として、極端に長いエアーチューブ(約6m)を使い、室温の影響を受けやすくした点が挙げられます。これは、外気の昼夜の温度差を緩和するための工夫であり、野生のクロサンショウウオが温度変化の少ない土中に棲む生き物であることを考慮したものです。


通気戸じまりくん

 なお、電源コードとエアーチューブを通すために窓を閉め切ることができなくなったので、隙間を空けてカギを掛けることのできる便利グッズを使用しています。

2004.10.14 温度環境の改善案

 次に改善しようと考えたのは、「温度環境」でした。
 サンショウウオが温度変化の少ない土の中で生活していることを考えると、これまでどおり水槽用クーラーで底床を一定温度に保つ方法はとても良い方法だと思えます。しかし、これから冬を迎え、表層土はそれなりに冷えてきます。この季節的な変化を表現するには我が家の水槽用クーラーでは力不足(15℃までが限界)。
 そこで、再び大自然の力を借りることにして、次のようなアイデアを考えました。

 右図は、ホースをらせん状に巻き付けた装置(以降、ラジエータと呼ぶ)のイメージ図です。
 図のように、屋外の土中に埋め込んだラジエータ内に飼育水をポンプで循環させ、自然界の土の中と同様の温度変化を水槽内に表現しようというものです。


 この試みは”土中温度による冷却作用”が”室温による加熱作用”よりも大きくなって初めて有効です。温度の変化は「ニュートンの冷却法則」により、温度差とラジエータの性能等諸条件に比例します。以下に計算プログラムを用意しました。

次の4項目に数値を入力し「計算する」ボタンを押してください。
1.水槽温度:
2.土中温度:
3.経過時間:
4.伝熱係数:(ラジエータの性能等諸条件により定まる係数)



計算結果:

 このように、温度変化に関係する4項目のうち、工夫の余地がある伝熱係数をどれだけ大きくできるかが成否の分かれ目。今後の課題として、ラジエータの素材や構造について十分検討が必要です。

 あと、現在のアパートの周囲はすべてコンクリートで固められているので、ラジエータを埋める地面がないことが問題です。(え?)

←前のページへ
次のページへ→
サンショウウオ URL : http://xto.be/ ご質問等ありましたら掲示板にお願いします。
※完全リンクフリーです。ご自由にどうぞ。